2009年10月2日(金)「しんぶん赤旗」
米兵女性殺害事件・控訴審開始
米軍と国の責任問う
横須賀
神奈川県横須賀市で2006年、米空母乗組員に殺害された佐藤好重さんの夫、山崎正則さんが国を相手に損害賠償を求める控訴審の第1回口頭弁論が1日、東京高裁(都築弘裁判長)で開かれました。横浜地裁判決は米兵本人に高額賠償を命じましたが、米軍と国の責任を認めませんでした。
法廷で山崎さんは「好重は私に助けを求めていたに違いないのに何もできなかった。それを思うと今でもたまらない気持ちになります」と心境を告白。「私たちのような被害者が増えないよう国の責任を認め、米軍や日本政府がしっかりした手だてをつくるような判決を出してください」と訴えました。
国側は答弁書で、公務時間外でも米軍の監督権限が生じる場合があることを認定した横浜地裁の判断を認めました。
篠原義仁弁護士は国側に対し、主張を変更するならどんな要件のもとで米軍の責任が問えるのか、積極的に反論すべきだと指摘。同時に06年以前にも米兵の凶悪犯罪が多発していた実態を直視すれば、米軍が監督権限の行使を怠っていた責任は明白で、これを退けた一審判決は不当だと批判しました。
中村晋輔弁護士は在日米海軍の再発防止策の具体的内容を調査するよう裁判所に要求し、同軍司令官を証人として採用することを求めました。
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