2009年9月30日(水)「しんぶん赤旗」
アフガン増派に批判
EU内は大勢
国防相非公式理事会
欧州連合(EU)国防相非公式理事会が28日、スウェーデンのイエーテボリで開かれ、アフガニスタンでの北大西洋条約機構(NATO)主導の軍事部隊に増派することに懐疑的な意見が大勢を占めました。
国際治安支援部隊(ISAF)のマクリスタル司令官がアフガンへの増派が必要だとする内容の報告書をオバマ米大統領に提出したことを受け、予想される米国からの欧州への増派要請をけん制する形となりました。
ロイター通信によると、デンマークのゲーデ国防相は記者団に、「欧州を見渡して、アフガンにさらに5千や1万人を増派できるという国は聞いたことがない」と発言。人口500万人のデンマークが850人をすでに派遣していることから、「増派することは難しい」と述べました。
同氏はまた、「国際社会が正確な予算、正確な数の兵士を使い、また同時にアフガン国軍を訓練する十分な努力を払わなければならない」と述べ、EUがその調整を促進することを求めました。
3100人を派遣していたイタリアは、アフガン総選挙の際に治安維持目的に増派した500人を維持するとみられます。コシガ国防相は「イタリアはこの10年間世界中の平和維持活動に積極的に貢献してきて、今また『ノー』とは言わないが、われわれの人材・能力はすでにかなり疲れている」と、それ以上の増派には慎重な姿勢を見せました。
ソラナ共通外交・安全保障政策上級代表は、欧州はすでに3万人以上をアフガンに送っているとして、「誰も欧州がアフガンで仕事をしてないとは言えない」と欧州の立場を擁護しました。