2009年9月30日(水)「しんぶん赤旗」
市発注業務 生活できる賃金に
野田市、全国初の条例
千葉
千葉県野田市議会は29日、市発注の公共工事や業務委託などの「公契約」に携わる労働者に市長が定める最低額以上の賃金を支払わなければならないとする公契約条例を全会一致で採択しました。公契約条例制定は全国で初めてです。
生活できる賃金確保などを公契約に盛り込む公契約法・条例を求める運動は全国に広がっています。今回の制定は「ワーキングプア」根絶や公共サービスを守るうえで大きなはずみとなるものです。
野田市の条例は、公共工事・公共サービスの質の確保などが目的。下請けや孫請けで働く労働者や派遣労働者にも適用され、農水省や国交省が公共事業の積算に用いる労務単価や市職員の給与条例を勘案して賃金の最低水準を決めるとしています。労働者から違反の申告があれば市が調査し、是正命令をだし、是正されない場合は契約解除や事業者名公表を定めています。
一方、当面は予定価格1億円以上の公共工事と、1千万円以上の業務委託契約(市長が定めるもの)に限定。自分自身で事業を行う“一人親方”の扱いが課題となっています。
日本共産党野田市議団の松本睦男団長は、「日本政府が公契約における労働条件確保を定めた国際労働機関(ILO)条約の批准すらしないなかで、人間らしく働くルールをつくるうえで全国の注目を集めた条例が制定されたのはうれしいことですし、全国に広がると思っています。この条例を大いに生かし、さらにいいものに改善し、働く貧困層をなくし、住民サービスを守っていきたい」と語りました。