2009年9月29日(火)「しんぶん赤旗」
政府審議会「休眠」
財界中心から脱却の好機
自民・公明政権から民主党中心の政権にかわったことで、経済財政諮問会議などの廃止のほか、「政府の審議会が相次いで『休眠状態』に陥っている」(「日経」28日付)ことが話題になっています。「財界・大企業中心の政治」をただすため、審議会を抜本的に改革する絶好のチャンスです。
自民・公明政権時代に「構造改革の司令塔」とされてきたのが経済財政諮問会議です。議長は首相。官房長官など閣僚のほか、民間議員4人が参加しました。うち2人は財界・大企業の代表でした。日本経団連の2代会長、奥田碩トヨタ自動車会長(当時)、御手洗冨士夫キヤノン会長が相次ぎ参加しました。同諮問会議では、不良債権の早期最終処理、大企業減税、郵政民営化など財界・大企業が求めるテーマなどが直接議論になりました。「医療難民」「介護難民」といわれる深刻な事態を招いた社会保障抑制路線。社会保障費の自然増分が毎年2200億円削減されてきました。これも諮問会議で、奥田氏ら民間4氏が予算概算要求をめぐり、「社会保障については、大胆な制度改革を前提として要求基準を定める」ことを迫った(01年8月7日)産物です。
当時の総合規制改革会議の宮内義彦議長(オリックス会長)が「規制改革」案をとりまとめ。経済財政諮問会議で労働の規制緩和の「進み方が極めて中途半端だ」「物の製造は、派遣になじむのに、禁止されたままだ」と報告(01年11月9日)。労働者派遣を製造現場にまで「解禁」(03年)する流れをつくります。
このほか、各種の審議会には、財界・大企業の代表が参加し、その意向が政府の政策づくりにストレートに反映される仕組みがつくられてきました。
公正な代表者で構成を
日本共産党の政策
日本共産党は総選挙政策のなかで、「財界・大企業中心の政治」ただすため、企業献金の禁止とともに、審議会について次のように述べています。
経済財政諮問会議とか規制改革会議など、経団連会長をはじめ財界の首脳と政府寄りの学者、そして官僚がいっしょになって、財界の利益最優先の政策を、日本経済全体のまともな方針だとして押しつける仕組みをなくすことが必要です。政府のもとに設置される各種の審議会などは、日本社会を公正に代表するものにするべきです。この立場から現行制度の抜本的見直し・改革をおこないます。
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