2009年9月28日(月)「しんぶん赤旗」
役員人事決まらぬ民主
国民の要請 対応できず
16日の発足以来、鳩山由紀夫首相はじめ新閣僚が次々新たな方針を打ち出す鳩山内閣。一方、与党の民主党は主要な党役員人事がいまだ決まらず、国民要求に対応できない事態になっています。
「まだ党内で体制が決まっていないので、国会議員で対応することはできない」。保育所待機児童の解消などを求めて保護者、保育所職員らが25日に民主党に要請した際、同党政策調査会担当者がこう答える場面がありました。
鳩山内閣の発足にあたって民主党は、新幹事長に小沢一郎前代表代行、国対委員長に山岡賢次氏が引き続き就任。しかし、党役員人事を決める小沢氏は20日から英国の議会運営のあり方などの視察で訪英したこともあり、主要な役員人事はいまだ決まっていません。このため「役員会や常任幹事会などが機能していない」(同党関係者)といいます。
国民要求に政党として対応できない事情は人事問題だけではないようです。
民主党は鳩山内閣発足に伴い、「政策決定を政府に一元化する」(小沢氏)として、党政策調査会や分野別に議員立法などを手がけてきた「部門会議」などの廃止を決定。政策調整は、首相直属で設けた国家戦略室で行うとしました。
18日に小沢幹事長名で、新たな政策決定の仕組みに関する文書が党所属の全国会議員に配布されました。
それによると、与党の議員立法は「選挙・国会等、議員の政治活動にかかわる、優れて政治的な問題」に限定。与党議員からの政策提言の扱いは「副大臣の責任で大臣に報告する」と定義しました。
この新たな政策決定の仕組みに、これまで議員立法などに取り組んできた同党議員からは「(政府が決めた政策に)党としてどう絡んでいくか見えない」(参院議員)「地元の要望をどこまで聞いてもらえるか不安」(中堅衆院議員)との声が出ています。
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