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2009年9月25日(金)「しんぶん赤旗」

保育など基準廃止求める

地方分権委が第3次勧告案


 政府の地方分権改革推進委員会(委員長=丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長)は24日、地方自治体の仕事の内容や方法を国が定める「義務づけ」の規制緩和を柱とした第3次勧告案を発表しました。

 同委員会は、国による義務づけは「真に必要な場合に限定されるべき」だとし、昨年12月に約4千に上る義務づけ条項見直しを勧告(第2次勧告)。今回は、そのなかでも「特に問題がある」とした877条項について廃止または地方自治体の条例にゆだねることを求めています。

 勧告で廃止または条例委任とされた条項には、保育所の最低基準など「児童福祉施設の設置・運営基準」「認定子ども園の設備・運営基準」や「学校の設置基準」「小中学校等教職員定数の標準」など、自治体が行う住民サービスの最低基準を定めたものが多く含まれます。

 社会保障についても、「病院等の人員・施設基準」のように、医療から介護、障害者、生活保護まで全般にわたって人員や設置・運営基準を緩和するよう勧告しています。

 勧告案は、義務づけの見直しはサービス水準の切り下げを目的としたものではないとしていますが、委員からも「『参酌すべき基準』になると、アルバイトを増やすなど結果としてサービスを下げる自由も認めることになる」と懸念が出されたように、現在でも貧弱な教育・社会保障水準をさらに切り下げることになりかねないものです。

 同委員会は安倍自公政権下の2007年4月に設置され、地方分権の名の下に新自由主義的「構造改革」を推進する規制緩和を主張してきました。鳩山新政権の原口一博総務相は、就任後の記者会見で「(第3次勧告は)聞き置くことになる」と態度を保留しています。新政権が、同委員会と勧告にどのような態度で臨むのか問われます。



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