2009年9月20日(日)「しんぶん赤旗」
駐留米軍が完全撤退
外相 「主権と平和の勝利」
エクアドル
南米エクアドルで18日、米軍が1999年以来使用していた西部マンタの基地から最後の駐留米兵が撤退しました。同基地は10年ぶりにエクアドルの主権下に戻り、外相、国防相らが同日、基地を訪れて記念祝賀式典を開きました。
ファルコニ外相は、「米軍撤退は主権と平和の勝利だ。もう二度とエクアドル領内に外国軍基地は置かせないし、(主権の)旗を売り渡すこともない」と強調しました。外相らは式典後に早速、基地内を視察しました。
米国は1999年、当時のエクアドルの親米政権との間で、マンタ基地の一部を米軍が10年間使うことを認める貸与協定を締結。麻薬対策を口実に米軍を駐留させ、早期警戒管制機AWACSで周辺地域を常時監視してきました。
しかし基地への反対世論が広がる中、2007年には対米従属からの脱却と米軍基地撤去を掲げるコレア政権が誕生。同政権は08年8月、今年11月に期限切れを迎える貸与協定を更新しないことを米国に伝えていました。
米国はマンタの基地機能を移転させるため、コロンビア国内の駐留米軍の増強を計画しています。これに対し、南米諸国の大半は「米国による介入を招く」として反対や懸念を表明しています。(島田峰隆)
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