2009年9月19日(土)「しんぶん赤旗」
駐留米軍受け入れ拒否
パラグアイ大統領 共同演習も不参加
南米パラグアイのルゴ大統領は17日、同国の首都アスンシオンで会見し、来年予定されている米軍との共同軍事演習にパラグアイ軍は参加せず、演習に伴う駐留米兵500人の受け入れも拒否することを明らかにしました。
同大統領は、「500人の米兵がパラグアイ領内に駐留することは見過ごせない。南米諸国は米軍駐留を疑問視しており、この時期の軍事演習は適切でないし、賢明でもない」と語りました。
在パラグアイ米国大使館は同日、「遺憾だが、パラグアイの決定を尊重する」と表明しました。
ルゴ氏は昨年4月、60年以上続いた親米与党の候補を破って当選。新自由主義の経済路線を改め、貧困層支援や農地改革に着手しています。外交では対米自立と南米統合の強化へ転換しました。
パラグアイは前政権まで米軍との合同演習に参加してきました。しかし米軍がパラグアイ内にひそかに基地を建設しているという疑惑が浮上、米軍駐留への批判が強まっていました。
南米では外国軍の駐留を拒否する流れが強まっています。南米諸国連合(UNASUR)は先月、「南米を平和地域として強化」し、「外国軍の存在によって南米各国の主権と領土保全、域内の平和と安定を脅かしてはならない」と強調する首脳宣言を採択。ベネズエラ、ボリビア、エクアドルは憲法で外国軍基地の設置を禁止しています。(島田峰隆)
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