2009年9月17日(木)「しんぶん赤旗」
64回国連総会が開幕
核廃絶など議論へ
気候変動、経済危機も
議長 「対話が解決の方途」
【ワシントン=小林俊哉】第64回国連総会が15日、ニューヨークの国連本部で1年間の会期で開幕しました。ニカラグアのデスコト元外相から総会議長を引き継いだリビアのトゥリキ元外相(現アフリカ連合=AU=問題担当相)は、京都議定書に続く新たな温暖化防止枠組み交渉に向けた気候変動問題、核兵器廃絶、経済危機への対応などのテーマで活発な議論を呼びかけました。
各国首脳が演説する一般討論は23日から始まります。一般討論では「核兵器のない世界」を掲げるオバマ大統領が初めて演説するほか、日本からは鳩山由紀夫新首相が参加します。
トゥリキ総会議長は「(国連総会の場こそ)よりよい未来へ向けた道筋だ」と主張。「対話と相互理解が、われわれの諸問題を解決する方途だ」と述べました。
また、国連に加盟する全192カ国が参加する総会の機能強化こそが国連の国際的な正統性を高めると強調。国連を改革するためには、安全保障理事会の公正な構成と、総会の活性化が不可欠だと述べました。
22日には、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が主催して、「国連気候変動サミット」が開かれます。オバマ大統領も開幕演説を行う予定です。
また、24日には、オバマ氏自身が議長となって国連安全保障理事会で核軍縮・不拡散をテーマにした首脳級特別会合が開かれます。15理事国の首脳らが演説しますが、米国は、核軍縮条約交渉の開始を求める決議の採択を目指しています。来年の核不拡散条約(NPT)再検討会議の成功に向けた重要な一歩としても注目されます。
また、24日から2日間の日程で、包括的核実験禁止条約(CTBT)発効促進外相級会合も開かれ、フランス、モロッコの外相が共同議長を務めます。
オバマ氏はニューヨーク滞在中に、各国首脳と2国間会談を予定するなど、活発な外交を展開するとみられます。
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