2009年9月16日(水)「しんぶん赤旗」
日航再建
経営と行政責任正せ
航空連 安全・公共性確保を
日本航空の経営再建問題について航空労組連絡会の山口宏弥議長らは15日、国土交通省に対して、日航経営陣と航空行政の問題点こそただすよう求める要請を行いました。
今日の事態を招いた原因は不況や災害などの要因だけでなく、相次ぐ運航トラブルによる旅客離れや放漫経営といわれる過剰な設備投資にあり、経営者は厳しく批判されるべきだと指摘しました。
同時に、「航空行政と日航経営との結びつきも問われる」として、過大な需要予測による空港建設と路線就航の誘導▽日米貿易摩擦からくる過剰な機材導入圧力▽諸外国に比べて異常に高い着陸料など公租公課▽日米間の不平等な航空協定―などを指摘しました。
債権問題を議論する有識者会議で出た意見として、労働条件について批判的な意見を一方的にマスコミに紹介しているとして、「行政・日航経営の責任を労働条件にすりかえるもの」と指摘。
金子一義国交相が「銀行融資と企業年金切り下げはセット」とのべたことは「労使問題に対する不当介入そのもの」と批判し、「収益性やコスト削減など経営への介入を強めることではなく、航空法にのっとり、輸送の安全性と公共性の確保のために監督を強化することこそ求められる」と強調しています。
要請後に記者会見した山口議長は、「経営陣と航空行政のあり方を改めないと、安全性と公共性を確保した健全な公共交通機関にならない」とのべました。
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