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2009年9月13日(日)「しんぶん赤旗」

「核兵器なき世界」目指す

米政府 安保理会合に決議案

24日に首脳級が協議


 【ワシントン=小林俊哉】米国は11日、国連安保理で24日に開催する核軍縮特別会合で「核兵器のない世界」を目指す決議案を各理事国に配布しました。本紙が入手した決議案によると、核不拡散条約(NPT)第6条に従って、「核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実な交渉を行うことを約束するよう要求し、他の諸国に対してこの努力に加わるよう要求する」としています。

 オバマ大統領は、プラハ演説で加盟国によるNPTの責任ある実践を提起していましたが、この決議案では具体的に「全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約」の交渉の開始を提起しています。こうして、オバマ政権が今までないがしろにされてきたNPT条約に規定された核保有国としての責任と義務を果たそうという立場を、国連安保理決議として打ち出したことはきわめて重要で、注目されるところです。

 同安保理会合は、オバマ米大統領が議長を務める首脳級会合となります。NPT体制の強化や核兵器廃絶に向けた交渉を求めることで、来年5月のNPT再検討会議の成功に向けた国際社会の決意を示すことにもなります。日本からは新首相として民主党の鳩山由紀夫代表が出席する予定です。

 同案文は、NPTに加盟していないインド、パキスタン、さらに核保有の有無を表明していないイスラエルも対象に、NPTに加盟するよう求めています。

 また、同案は北朝鮮やイランの核問題を念頭に、「核不拡散体制にとって脅威だと安保理が決定した重大問題は遺憾だ」と指摘しています。

 同案は、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約創設の呼びかけや包括的核実験禁止条約(CTBT)への各国の加入、国際原子力機関(IAEA)による査察体制の実効性確保などを求めるとしています。



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