2009年9月12日(土)「しんぶん赤旗」
ユニセフ
5歳未満児の死亡 減っても年880万人
08年
国連児童基金(ユニセフ)は10日、5歳未満児死亡についての最新の統計を発表、2008年も死亡率、実数ともに引き続き減少したことを明らかにしました。
ユニセフの発表によると、世界全体の5歳未満児死亡率は、1990年の出生1000人当たり90人から、08年には65人に減少しました。実数では90年の年間1250万人から880万人に減少しています。
報告発表に当たってユニセフのベネマン事務局長は、「90年と比較すると、1日当たりの子どもの死亡が1万人減少したことになる」と指摘するとともに、「毎年880万人もの子どもが5歳の誕生日を迎えることができず死亡するということは、耐えられないことだ」と語りました。
新たな統計数字は、ユニセフと世界保健機関(WHO)、世界銀行などの専門家が算出したものをまとめました。世界の5歳未満児死亡率は90年から2000年にかけては年1・4%の割合で増加していましたが、その後減少に転じ、2000年から08年にかけては年2・3%の割合で減少しています。
ユニセフによると、死亡率減少は、はしかワクチンなどの予防接種、マラリア予防のための防虫剤処理の蚊帳の使用、ビタミンAの配布など、保健分野での支援活動の成果だとしています。
ユニセフは、アフリカの内陸国で後発発展途上国の一つマラウイの例を紹介。90年に出生1000人当たり225人だった5歳未満児死亡率が、08年には100人にまで減少しました。15年までに90年を基準として3分の1にまで削減するとしたミレニアム開発目標の達成に向けて、順調な推移がみられるとしています。
同国では2000年に3%だった防虫剤処理蚊帳を使用する5歳未満の子どもが、06年には25%に達したと指摘。限られた資金を保健システムに集中的に使用したことが効果を挙げた事例としています。