2009年9月12日(土)「しんぶん赤旗」
米、貧困率11年ぶり高水準
無保険者も68万人増
商務省調査
【ワシントン=西村央】米商務省は10日、2008年の貧困や医療保険加入状況に関する統計を発表し、貧困率が13・2%と11年ぶりの高水準を記録し、無保険者が前年の4566万人より68万人増えて4634万人になったことが明らかになりました。2007年12月以来の景気後退が新たな経済的弱者を生み出していることを示しています。
これによると、貧困状態とされている人は08年が3982万人で、前年の3727万人より255万人増加。貧困率では前年の12・5%から0・7ポイント上昇しました。
一方、医療保険無保険者は3年連続で4500万人を超過。統計を取り始めてから最悪の水準が続いています。無保険者の割合は、前年の15・3%から微増で15・4%となっています。
医療保険加入者では、雇用主負担で民間保険に加入している人の割合が前年の59・3%から58・5%へと減少。逆に公的保険のうち低所得者向けのメディケイド加入者が13・2%から14・1%へと増加しています。
景気後退以後、就業者減が690万人に及んでいることを背景に、医療保険がある雇用先を失い、低所得へ転落している構図を映し出しています。
米国の貧困層 米国では収入が「貧困基準」を下回る世帯を「貧困層」と位置づけています。米商務省の国勢調査局は「貧困基準」収入を「食費の3倍」と定め、毎年、世帯規模別の基準を公表しています。2008年の場合、4人家族で18歳未満の子どもが2人いる家庭の「貧困基準」は2万1834ドル(約200万円)です。
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