2009年9月11日(金)「しんぶん赤旗」
ノースウエスト
客室乗務員の配転無効
最高裁 非正規への置き換え批判
ノースウエスト航空(本社・米国ミネソタ州)の客室乗務員5人が地上職(旅客サービス課)に配転されたのは不当だとして、客室乗務員の地位確認と損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷が労働者側の訴えを認める判決を出したことが10日、分かりました。原告が同日、記者会見で明らかにしました。
近藤崇晴裁判長は、「配転命令は権利の乱用で無効」とした東京高裁判決を支持し同社の上告を棄却。客室乗務員の地位確認と440万円の賠償を命じました。確定することになった高裁判決は、配転理由の「人員余剰」は正社員を契約社員に置き換えるなど「会社自らつくりだしたもの」と指摘、「経済的不利益や精神的苦痛を与えた」と批判しました。
同社は2001年、経営不振を機に「人員余剰」だとして客室乗務員を地上職に配転。その後、「客室乗務員であるすべての組合員は、客室乗務員としての職位を失わないように努力する」との確認書を労組と結び乗務員に復帰させましたが、わずか5カ月後の03年3月、再び地上職に強制配転しました。
記者会見で原告の清水晶彦さん(50)は「6年間地上勤務をさせられてきただけに大変うれしい」と発言。客室乗務員への復帰について会社は同日、「判決に沿って本社と協議する」と答えたことを報告しました。
「契約社員を採用して余剰人員をつくりだし、正社員を排除するやり方が否定された」と指摘。横行している非正規雇用への置き換えを批判したもので「大きな意義がある」と強調しました。
航空労組連絡会の竹島昌弘事務局長は「客室乗務員は、サービスだけでなく乗客の命と安全確保を使命としており、簡単に異動させてはならない専門性を持っていることが認められた。安全確保のたたかいに役立つものだ」と評価しました。
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