2009年9月8日(火)「しんぶん赤旗」
首相指名選挙 自民混迷深く
投票用紙に「麻生」?「 」?
きょう両院議員総会
総選挙で歴史的大敗をした自民党は8日に両院議員総会を開き、今後の総裁選日程や首相指名選挙での対応について正式に決める予定です。
自民党は、16日に召集される特別国会での首相指名選挙で当初、麻生太郎首相(党総裁)への投票を確認していました。しかし、「首相指名で『麻生』とは書けない。恥の上塗りだ」(武部勤元幹事長)「辞める総裁には入れられない」(石田真敏衆院議員)など、総選挙での惨敗を受け辞任する麻生氏に票を投じることへの不満が党内で噴出。自民党は異例の「白紙」投票で臨むことで調整しています。
ところが、6日の民放番組で、自民党の石破茂農水相が「白紙で入れるのは、どんな理屈をつけても国会議員としての職場放棄だ。白紙は憲政の常道に反する行為だ」と反対を表明しました。石破氏は「麻生さんの名前を書くのも民意の否定だ。両院議員総会長でも、与謝野(馨財務相)先生でもいい」とも発言。首相指名での対応をめぐり、自民党内はますます混迷を深めています。
派閥解消求める声も
また、多くの議員が落選したため、自民党の派閥は、最大派閥の町村派が解散時の89人から49人に、津島派が68人から36人など軒並み減少しています。山崎派は、会長の山崎拓前副総裁が落選する事態になりました。
28日の自民党総裁選をめぐっては、中堅・若手の議員らが候補擁立も目指して動きを活発化。「派閥解消こそが党再生への出発点」との声も出ています。
また地方では、滋賀県議会の自民党会派(19人)から11人が集団で会派離脱する事態も起きており、足元での混乱も止まりません。
厳しい審判に無反省
自民党の混迷は、「構造改革」で国民生活を破壊したことに対する国民の厳しい審判への反省がないことが背景にあります。「解党的出直し」といいながら、真摯(しんし)な反省もなく、新しい方向も示すことができなければ、ますます混迷は深まるでしょう。
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