文字の大きさ : [] [] []

2009年9月7日(月)「しんぶん赤旗」

アフガン空爆

EU各国、非難次々


 アフガニスタンで多数の民間人を含む犠牲者を出した北大西洋条約機構(NATO)軍による4日の空爆に、欧州連合(EU)各国は次々と非難の声を上げました。しかし、「対テロ戦争」に協力している各国の政権は、アフガンへの介入に否定的な国民世論への説明に苦慮しています。(山田芳進)

 スウェーデンのストックホルムで開かれたEU外相会議に出席したフランスのクシュネル外相は5日、空爆は「大きな誤り」であり、欧州のアフガン戦略は「アフガン人と協力することで、アフガン人を爆撃することではない」と批判。議長国スウェーデンのビルト外相も「一人の死であってもそれは悲劇であり、国民を殺すのでなく、なによりもまず保護しながらでないと、この戦争には勝利できない」と強調しました。

 一方ドイツでは、27日の総選挙を前に、ドイツ軍将校の空爆命令が今回の事件の発端となったことが大きな波紋を呼んでいます。

 ユング国防相は、燃料輸送トラックの爆破命令は、ドイツ軍への被害を最小限に抑えるために必要な措置だったと正当化する発言を国内各メディアに行っています。

 これに対し連立を組む社民党のシュタインマイヤー外相は、「大変深刻な事件だ」と述べ、同国軍のNATO軍事作戦参加に否定的な世論に配慮する姿勢を見せています。

 英国では、ブラウン首相が5日、議会で「アフガンのさらなる安定は英国のそれと同義語だ」と同国がアフガンに関与し続けることを正当化しました。しかし、3日にはアインスワース国防相の側近が、212人の英兵死者を出している同国のアフガン戦略を批判して辞任。さらに、今月末に年次党大会が開かれる与党労働党内で、末端党員が英部隊のアフガン撤退を求める署名を展開するなど、政権の足元が揺らいでいます。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp