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2009年9月7日(月)「しんぶん赤旗」

米原子力艦 横須賀に“常駐”

まるで出撃基地


 神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地に原子力艦が入れ代わり立ち代わり寄港しています。米原子力軍艦の2009年の横須賀港滞在日数は9月6日までで220日間。全日数の9割近くをしめ常時寄港している状態に、「出撃基地としての機能強化」との指摘もでています。(神奈川・大貫清文)


写真

(写真)停泊する(左から)原潜オハイオと、YR85(中央の船)、YR95(右側の大型の直方体)、YR96(右側手前の小型の直方体)の放射能関連の修理施設と疑われる台船=1日、横須賀港

 横須賀基地に配備されている原子力空母ジョージ・ワシントンは9月3日に入港し、5日には乗組員の家族へのサービスのため、日帰りで大島近くまでのクルージングを行いました。

 元横浜国大物理学講師の今野宏さんは「入出港時は、原子炉の出力を急にあげたり停止したりします。頻繁に出入港を繰り返すことは安全性に懸念があります」と指摘します。

 8月24日に原子力空母ニミッツが寄港(28日出港)したときには、ニミッツ乗組員約5600人が横須賀の市街に繰り出しました。あちこちで迷彩服姿が目立ち、市民からは「異様だ」という声が聞かれました。迷彩服姿の米兵に声をかけると「パトロール中だ」と答えました。

 29日には原子力潜水艦オハイオが入港(9月2日出港)しました。オハイオは全長170メートル、全幅12・8メートルもある巨大艦船。核弾頭を付けた巡航ミサイル・トマホークを154発積載可能です。

 こうした相次ぐ原子力艦船の横須賀入港にたいし、原水協、新日本婦人の会、米原子力空母の横須賀配備を阻止する三浦半島連絡会の代表は8月31日、吉田雄人横須賀市長あてに原子力艦船の入港中止をオバマ大統領に働きかけるよう要請しました。

 横須賀中央駅近くで買い物をしていた女性(66)は、「躊躇(ちゅうちょ)なく人を殺せる訓練を受けた米兵がいつも、歩いているのはこわいこと。市長は住民の代表として対等な立場で、市民の声をオバマ大統領に伝えるべきだ」と話しました。

 同基地わきのヴェルニー公園のベンチで新聞を読んでいた男性(63)は「危険だらけの原子力空母があるなんてほめられたことではない。選挙で政治が動き、非核三原則で核兵器持ち込みの密約をただすチャンス。国民の声を政府は聞くべきだ」と語りました。

 永沢丈夫県原水協事務局長は「米軍は西太平洋地域で、原子力空母の複数体制をねらい、米原潜全体の6割を配備してきました。横須賀港には原子炉にかかわる修理施設や第1次冷却水にかかわる純水製造施設、接岸可能な岸壁が整備され、原子力艦船の補給、整備、乗員米兵の休養ができる世界唯一の海外基地となりました。ニミッツや原潜寄港の増大は出撃基地機能の強化です」と語りました。

 永沢氏は、原潜は巡航ミサイル・トマホークを積載し米国の先制核攻撃戦略の柱となる最先端部隊の役割を担っていると指摘し、「オバマ米大統領が核巡航ミサイル『トマホーク』削減の方向で米戦略態勢の見直しを検討しています。いま必要なことは民主新政権に対し、自公政権が米国に要請してきた『核の傘』論に立たずに非核三原則を堅持するよう求め、オバマ米大統領に市民・国民の声を届けることです」と述べました。

13日に抗議集会

 原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備された昨年9月25日から1年。「米原子力空母は出ていけ!母港配備1年抗議集会」が13日午後2時から横須賀市ヴェルニー公園で開かれます。



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