2009年9月7日(月)「しんぶん赤旗」
小選挙区「死票」3270万票
投票総数の46.3%
87選挙区で過半数
今回の総選挙では、1選挙区で1人しか当選できない小選挙区制によって、議席に結びつかない「死票」が大量に生みだされる弊害が改めて浮き彫りになりました。
投票総数7058万票のうち、当選者以外の候補に投じられた票は3270万票です。「死票」率は46・3%に上ります。全国の300の小選挙区のうち87選挙区では「死票」率が過半数となります。東京では25選挙区のうち12選挙区、大阪では19選挙区のうち10選挙区で「死票」率が半数を超えました。
高知1区では「死票」率が67・5%に達して全国最高となり、当選者の獲得票は有効投票の3分の1以下となりました。秋田3区(62・6%)、東京4区(62・5%)、山梨2区(62・4%)、神奈川4区(62%)でも「死票」率が6割を超えました。
今回の総選挙の小選挙区では、民主党が3348万票(得票率47・4%)で212議席(議席占有率73・7%)を独占する一方、自民党は2730万票(38・6%)で64議席(21・3%)。日本共産党は298万票(4・2%)を獲得しましたが、議席はゼロでした。
この結果、民意を比較的正確に反映する比例代表での当選者との合計でも、民主党の議席占有率は64・2%(308議席)となり、得票率からの乖離(かいり)は、ほとんど解消されませんでした。
仮に衆院総定数(480)を今回の総選挙の各党比例票で配分した場合、民主党は得票率42・4%で204議席(104減)、自民党は26・7%で128議席(9増)、日本共産党は7%で34議席(25増)、社民党4・3%で21議席(14増)などとなります(小数点以下、四捨五入)。
投票総数の約半分が「死票」となったことは、小選挙区制が民意をゆがめる選挙制度だということを改めて明らかにしています。
衆院の総定数(480)を各党比例票で配分した場合
民主党 42.4%→204議席(-104)
自民党 26.7%→128議席(+9)
公明党 11.5%→55議席(+34)
日本共産党 7%%→34議席(+25)
社民党 4.3%→21議席(+14)
みんなの党 4.3%→21議席(+16)
国民新党 1.7%→8議席(+5)
※小数点以下四捨五入
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