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2009年9月6日(日)「しんぶん赤旗」

主張

政党助成金

今こそ廃止に踏み切るべきだ


 総選挙の結果を受け、政党助成金の配分額が、民主党の大幅増、自民党の大幅減などとなることが明らかになりました。すべて国民の税金です。

 総選挙の結果は、これまでの自公の政治に、国民が「ノー」を突きつけたものです。税金の使い道を全面的に見直し、無駄を省くことを国民は求めています。この機会に、政党が税金を分け取りする政党助成金は、廃止に踏み切るべきです。

思想・信条踏みにじり

 政党助成金は国民1人当たり年間250円の計算で、国会議員の数や国政選挙の投票に応じて、各政党に配分されます。1年間の総額は320億円近い巨額です。

 国民にとっては、政党を支持するかしないかや、どの政党を支持するのかにかかわらず、負担が押し付けられるもので、憲法が定めた思想・信条の自由を文字通り踏みにじるものです。

 また、政党助成金は国会議員の数や国政選挙での得票を基準に配分し、小政党には交付しないので、政治活動、政党活動の自由のうえでも問題があります。

 日本共産党は、国民の思想・信条の自由、政治活動の自由を守る立場から、政党助成金の制度そのものに反対し、制度が始まってから16年間にわたって、1円の助成金も受け取っていません。

 1月に算定された今年の各党への配分は、自民党157億3300万円、民主党118億3200万円、公明党27億2500万円などでした。1年間に4回に分けて支給されます。

 ところが総選挙の結果を踏まえて計算しなおすと、各党の配分は民主党が173億200万円と、ほぼ1・5倍となります。逆に自民党は104億6700万円とほぼ3分の2に、公明党も24億300万円と減少します。

 配分の基準日は1月1日で、議員数の変動がなければ、この金額が来年の支給予定額になります。今年10月以降の支給額は選挙結果にもとづき見直されます。

 もともと1994年に小選挙区制とともに政党助成金が導入されたのは、腐敗政治の“温床”と批判されてきた、企業・団体献金の禁止が条件でした。

 しかし、この15年間以上にわたって企業・団体献金の禁止は実現せず、自民党など多くの政党は企業・団体献金も政党助成金もと、いわば“二重取り”の状態を続けています。政党助成金が導入された経緯に照らしても制度を続ける根拠は失われています。

 しかも政党助成金への依存は、党費や支持者の募金で賄われるべき政党本来の財政基盤を弱め、政党と国民との結びつきを細くします。自民党や民主党は、政党財政の7割、8割を政党助成金でまかなうありさまです。政党のあり方に照らしても、政党助成金の継続は、百害あって一利なしです。

暮らしのための財源に

 政党助成金を廃止し、それを国民の暮らしのための財源に回すことは、今回の総選挙での審判に示された国民の意思に照らしても重要です。

 政党助成金の320億円があれば、たとえば、廃止された生活保護の母子加算を元に戻しても、まだおつりがきます。総選挙での国民の審判に従うなら、政党助成金の廃止を渋る理由はありません。



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