2009年9月3日(木)「しんぶん赤旗」
小選挙区制 弊害明白
得票47% ⇒ 議席74%
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今回の総選挙では、比較第1党が議席を独占する小選挙区制(定数300)の弊害が改めて浮き彫りになりました。
民主党は小選挙区で221議席(議席占有率73・7%)を獲得しましたが、得票率は47・4%(3348万票)にすぎません。同党の得票率で小選挙区定数を比例配分すると142議席となり、79議席も“水増し”されたことになります。
逆に、自民党は得票率38・6%(2730万票)で議席占有率21・3%(64議席)、日本共産党は得票率4・2%(298万票)で議席はゼロでした。
前回2005年の総選挙では、民主党が36・4%の得票率で52議席だったのに対し、自民党は47・8%で219議席を得ました。今回、両党の立場が入れ替わった形です。
一方、比例代表(定数180)での得票率は民主党42・4%、自民党26・7%、日本共産党7%。これに対し議席占有率はそれぞれ48・3%、30・6%、5%となりました。定数が少ないため、多様な民意を反映する比例代表制の利点が損なわれている形です。
民主党がマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ比例定数80削減が実行されれば、民意を正しく反映できないゆがみをいっそう大きくすることになります。
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