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2009年9月2日(水)「しんぶん赤旗」

新政権 どうする軍事費

メス入れるのか
聖域続けるのか


 8月31日に提出された2010年度軍事費(防衛関係費)の概算要求は、総選挙で敗北して下野する自公政権の方針に基づき、軍事費の「聖域」扱いを続け、より増強しようとする内容となっています。「日米軍事同盟絶対」の自公政治に総選挙で国民の審判が下されたいま、軍事費の「聖域」化を続けることは許されません。今後、民主党中心の新政権の対応が注目されます。

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 防衛省が要求している軍事費の総額は、4兆9174億円(前年度比3%増)。過去最高額のミサイル防衛の予算、3隻目のヘリ空母建造費を盛り込むといった海外派兵型の兵器の増強を狙い、在沖縄米海兵隊グアム「移転」など在日米軍再編も着々と進めようとするものです。

 6月には自民党国防部会が提言書を、8月4日には政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」(安防懇)が報告書を政府に提出しました。どちらも「北朝鮮の脅威」を強調し、軍事力の強化に言及しています。

 概算要求提出前、ある防衛省幹部は「概算要求の内容は、安防懇の報告書の内容を踏まえたものになる。自民党の国防部会の内容も検討した」と語りました。

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 防衛省は概算要求資料のなかでも、「北朝鮮によるミサイルの発射、諸外国の海空軍力の近代化、軍事科学技術の進展などの情勢変化に適切に対応し得るよう、各種装備の充実・強化を図る」と述べています。

 民主党は、概算要求について「根本的に変えていくべきものだ」(8月31日、鳩山由紀夫代表)とし、新政権発足後に抜本的に見直す考えを示しています。ある防衛省関係者は、「われわれとしては淡々とやる。新政権の下、やり直せと言われればやり直す」と述べています。

 日本経済や国民のくらしがいっそう深刻になるなか、民主党中心の新政権が、自公政権の政策に基づく軍事予算を受け入れるのか、日本共産党が総選挙でも主張したように軍事費という「聖域」にメスを入れ、くらしや社会保障の充実に力を入れるのかが問われます。(洞口昇幸)



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