文字の大きさ : [] [] []

2009年8月31日(月)「しんぶん赤旗」

主張

総選挙開票

自公政権退場の歴史的審判


 30日開票された総選挙の結果、自民・公明の与党が議席を激減させ、自公政権が退場することが決定的になりました。民主党が300議席を超え、第一党となることも、確実となりました。自民党の第一党からの転落は1955年の結党以来初めてで、第一党が入れ替わる政権交代も62年ぶりです。

 日本共産党の獲得議席は、30日中には確定していませんが、猛暑のなか、日本共産党の前進のために奮闘されたみなさんに、心から感謝いたします。

日本政治の画期的出来事

 自公政権の退場は、日本の政治を前向きに進める画期的な出来事です。長年にわたって自民党政治と対決し、日本の社会進歩のために力を尽くしてきた党として、今回の歴史的転換を心から喜びたいと思います。

 自民党は、戦前以来の保守政党の流れを引き継いで、財界とアメリカの強い要請を受け、「保守合同」によって誕生して以来、長年にわたって、日本の政治を支配してきました。「財界中心」と「日米軍事同盟絶対」の政治路線は、日本に世界で例のない「ルールなき資本主義」をはびこらせ、日本の平和を脅かし続けてきました。

 自民党政治の行き詰まりはすでに長期にわたって表面化しており、1993年に結党から38年ぶりに単独政権の座から転落して以来、自民党一党では政権が維持できなくなっていました。とくにこの10年は公明党との連立に支えられて、かろうじて政権を持ちこたえてきました。

 自公政権が退陣に追い詰められたのは、国民の積もりに積もった批判の結果です。とりわけこの10年の自公政権が、小泉「構造改革」路線によって暮らしがズタズタにされたことへの国民の怒りは、頂点に達していました。

 麻生太郎首相は選挙中、「安心社会の実現」を繰り返しましたが、自公政権こそが、雇用でも、社会保障でも、「安心社会」を破壊したことへの反省は、まったく示しませんでした。選挙後半、自民党がネガティブキャンペーンに終始し、麻生首相が「政権交代で景気が後退」「政治が混乱する」などと主張したことも、批判の火に、油を注ぐ結果となったのは明らかです。

 民主党は議席を激増させましたが、それは、自公政権に国民が「ノー」の審判を突きつけた結果であり、民主党の政策を国民が支持した結果でなかったことは、選挙中の各種の世論調査によっても明らかです。

「建設的野党」の責任

 日本共産党は、国民の暮らしと平和を守るために、自民党と一貫して対決し、自公政権に対しても正面からの批判を続けてきました。「財界中心」「日米軍事同盟中心」の政治のゆがみを大本からただすという主張とともに、自公政権に対する日本共産党のきびしい批判が、自公政権の退陣に力を発揮したのは間違いありません。

 日本共産党は、民主党中心の政権ができた場合にも、国民の利益に立って積極的に提案し、「よいことは賛成、悪いことにはきっぱり反対、問題点はただす」という「建設的野党」の立場をつらぬくことを明らかにしてきました。

 歴史を前向きに動かす新たな一歩となった新しい政治局面のもと、こうした立場がますます重要になるのは間違いありません。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp