2009年8月31日(月)「しんぶん赤旗」
自公 歴史的敗退 国民の審判下る
日本の政治にとって大きな前向きの一歩
志位委員長が語る
日本共産党の志位和夫委員長は30日午後10時半、NHK番組に出演し、開票途中の総選挙について次のように質問に答えました。
|
――開票状況をどのように受け止めるか。
私たちは今度の選挙で自民・公明の政権を退場させようと最初から訴えてきました。全体の状況は、日本の政治にとって大きな前向きの一歩だと考えています。
私たちは、民主党の政権になったら、「建設的野党」として良いことには協力する、悪いことにはきっぱり反対する、問題点はただしていく、こういう仕事をして、現実の政治を前に動かすために頑張っていきたいと思います。
――政権交代についての受け止めは。
やはり今度の結果は自民・公明の政治に対するノーの非常に大きな風が起こった結果だと思います。とりわけ、この間の「構造改革」の名でやられてきたことは、たとえば、働く人の3人に1人を派遣やパートなどの不安定雇用にしてしまった。あるいは社会保障を年々2200億円も予算を削って、医療、年金、介護、あらゆる点でぼろぼろにしてしまった。国民の暮らしの安心と希望を奪ってしまった政治に対する非常に強い怒りがこういう結果をつくったと思います。
――選挙期間中は「建設的野党」といっていたが、政権交代後はどういう立場をとるか。
私たちは、民主党とは例えば、憲法の問題、消費税の問題など国の基本の問題で立場が違いますから、野党の立場を貫きますが、個々の問題では良いことには協力する、悪いことには反対という対応をしていきたいと思うのです。
例えば労働者派遣法(改正)の問題、あるいは後期高齢者医療制度を撤廃する、こういう点では共通の方向がありますから、こういう点では新政権と協力して、実行をしていきたい。
同時に例えば、日米FTA(自由貿易協定)というのは日本の農業、コメにとってたいへん危ない方向です。あるいは衆院比例定数を削減するということも民主党のマニフェストにありますが、これは民主主義の逆行です。こういう間違った方向にはきちんとストップをかける。
もう一点いいますと、税金の使い方の優先順位として高速道路の無料化の方向がはたしていいのか、などいくつかの問題点があります。これらは国民の立場できちんとただしていく。
そして私たちは日本の政治のゆがみのもとは、内政は「財界中心」、外交は「軍事同盟中心」というところにあると考えていますから、この大本から政治をただして「国民が主人公」の日本にしていく。そうした、新しい歴史のプロセスがいま始まったところだと思っています。
今度の結果というのは、日本の政治にとって新しい政治の幕開けの結果だととらえています。
この中で私たち共産党がどれだけの地歩を占めることができるかは、開票がいま途中ですから見守りたいと思います。
――民主党の一人勝ちともいえる結果に警戒感はあるか。
もし民主党が仮に数の力におごるようなことがあれば、私たちは国民のみなさんと手を携えて、それはストップをかける仕事をして、たださなければいけない、これは共産党が頑張っていかなければいけない大事な仕事だと思っています。