2009年8月30日(日)「しんぶん赤旗」
アフガン戦争
“米軍への信頼が欠如”
統合参謀本部議長が指摘
【ワシントン=小林俊哉】マレン米統合参謀本部議長は、28日発行の軍事専門誌『ジョイント・フォース・クォータリー』に「われわれの最大の問題は信頼感だ」と主張する小論文を発表しました。米軍内では、アフガニスタンの状況悪化に危機感が強まるなかで、反米感情が高いことを米軍首脳自身があからさまに指摘したものとなりました。
同氏は、「(反政府武装勢力の)タリバンや(国際テロ組織の)アルカイダの大部分は、(アフガン)国民の中で生活している」と指摘。タリバンが一部地域で、不正行為を処断する裁判を行い、場合によってはタリバンの指導者に対する住民の不満にも耳を傾けていることを指摘し、「地域住民の支持を得るタリバンの方針の一つは、貧しい人への援助でさえある」と述べています。
一方、米軍に対しては「本当に信頼できるのか」などの疑問がアフガン国民から出ているとして、「こうした地域での信頼感という点では、われわれのしなければならないことは実に多い」と述べました。さらに同氏は、「われわれのメッセージには信頼感が欠けている。それは、信頼を確立するための十分な投資をしてこなかったためであり、われわれが約束を守らなかったためだ」と述べています。
同氏はこれまでも、アフガン国民からの支持がなければ、戦争遂行は成功しないと主張していました。