2009年8月29日(土)「しんぶん赤旗」
国民犠牲の公務員削減
競い合う自民・民主
総選挙で自民、民主が、公共サービス切り捨ての公務員削減を競い合っています。
民主党がマニフェストで「無駄遣い」として国家公務員の「総人件費2割削減」を掲げれば、自民党は「人員の2割削減」を主張。政策パンフ『労働組合が日本を侵略する日』で、民主党の削減論を「本俸にふれず」などと批判しています。
内需拡大に反する過去最大規模の公務員給与削減の人事院勧告についても、麻生内閣が世論向けに異例の早さで選挙中に閣議決定すれば、民主党の岡田幹事長は、「人件費2割削減を掲げているので再吟味しないといけない」と、さらなる削減をいいだしています。
日本の公務員は欧米と比べても異常に少ないのが実態です。人口千人あたりでフランス88・8人、アメリカ78・2人に対し、日本は32・0人と半分以下。
国家公務員は2003年に81万人いたのが10年には31万人に激減(自衛官をのぞく)。一方で非常勤職員が14万人を超え、多くが年収200万円以下の「官製ワーキングプア」におかれています。
公務員は「国民全体の奉仕者」として国民の生活と権利を守る重要な役割を担っています。この公務員が少ないほどよいといって減らせば国民の安全や安心が守れないことは、建築確認の民間丸投げが招いた耐震偽装事件を見ても明らかです。
日本共産党は、貧困と格差が広がるなか、国民の暮らしを支える行政サービス拡充とそのための人員確保こそ必要だと主張。財源として民主、自民両党がふれられない大企業・資産家と軍事費という二つの聖域にメスを入れ、消費税増税などに頼らず国民生活を守る道筋を示しています。