2009年8月26日(水)「しんぶん赤旗」
奨学金「ローン化」自賛する公明党
大卒の返済500万〜600万円にも
公明党は「奨学金制度を大幅に拡充した」と宣伝しています。なかでも「歴史的な転換を実現した」ととくに自慢しているのが、「1999年度にスタートした有利子奨学金」(公明新聞4日付)です。しかし、有利子奨学金は大学4年間、月10万円を借りると返済総額は500万〜600万円にもなり、「まるで教育ローンだ」と厳しく批判されているものです。
公明新聞は「99年度の予算編成に当たって、政府・自民党と粘り強く交渉」した結果、「有利子奨学金の大幅拡充や対象人員の増員などを勝ち取った」などと、公明党が有利子化に力を入れてきた経過を紹介しています。
実際、99年度を境に日本の奨学金制度は大きく変わりました。有利子奨学金の貸与枠が拡大の一途をたどる一方、無利子の枠はむしろ減りました(グラフ)。無利子奨学金は、申し込んだ14万人中10万人以上が不採用(09年度)となるほどの狭き門になってしまいました。
公明党は「希望者ほぼ全員が貸与を受けられる制度へと生まれ変わった」(同前)と手放しで自賛しますが、社会人生活のスタートで多額の借金を背負わされる若者の苦しみや不安が、同党には分からないようです。
日本共産党は、諸外国では当たり前の返済不要の給付制奨学金制度の創設を、早くから一貫して主張してきました。今回の総選挙公約にも掲げ、実現を目指しています。自民・公明両党も「給付型奨学金」を言わざるを得なくなっています。
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