2009年8月25日(火)「しんぶん赤旗」
主張
総選挙と教育
共産党伸ばし、大きな変化を
総選挙は、有権者の「自公政権ノー」の大きな流れのもと、どのように新しい政治をつくるのかが、最大の焦点となってきました。
とくに教育は、劇的な変化の可能性がある分野です。
国民の教育運動背景に
まず教育費の負担です。わが国は自民党政治により庶民が「世界一高い学費」を負担する、世界の流れと正反対の社会となり、授業料などの無償化はタブーでした。
日本共産党をはじめ野党の公約が実行されれば、これが無償化の方向に転じ、給付制奨学金なども創設される道が開けます。
教育条件はどうでしょうか。
いま少人数学級の実施は、教職員の定数減を義務づけた行政改革推進法により阻まれています。選挙後は、この法律を廃止して、少人数学級を実現する可能性がうまれます。教員の「多忙化」を解消する展望もひらけます。
さらに、学校教育をゆがめている、「全国いっせい学力テスト」や教員免許の更新制などをなくす可能性がつよまります。
以上のどれもが、教育現場が切実に求めながら、これまで政治の厚い壁にはばまれてきたものです。その壁を突き崩し、教育をかえる道を実際にひらく―ここに、今回の総選挙の教育にとっての、これまでにない意義があります。
この局面をつくったのは、「自公政治ノー」の風をおこした国民であり、粘り強くたたかい続けた教育運動の力です。
問題は、総選挙でどの党を伸ばせば、教育をかえる道が、たしかな道になるのかです。
この点では、民主党には不安があることを、率直に指摘しないわけにいきません。
民主党の教育政策の「集大成」は「日本国教育基本法案」です(「政策集2009」)。06年の教育基本法国会に政府の改正案への対案としてだされ、靖国派が「政府案よりいい」と評価したものです。
同法案は前文に「愛国心の涵養(かんよう)」を明記しています。法案を審議した国会で民主党議員は、「教育勅語を参考に新しい道徳を」「(法案は)国体の護持につながっていく」などの質問を繰り返しました。
個々の政策をみても、たとえば高校授業料の無償化といっても私学は視野に入っていません。非民主的な教育行政を温存・助長するような、教育行政の首長への移管などもあります。
日本共産党は「建設的野党」として、新しい政権に教育がよくなる政策をどしどし提案・協力し、実行をせまります。同時に、「日本国教育基本法案」など教育をゆがめる政策には、それを食い止める「防波堤」としてがんばります。
「教員免許更新制」は、民主党のマニフェストは「抜本的見直し」ですが、更新制のできた2年前は「更新講習を100時間にする」と、制度をひどくする提案をしました。一貫して反対している日本共産党が伸びてこそ、すっきり廃止できます。
憲法を根底にすえて
日本共産党がこうした役割をつらぬけるのは、憲法や子どもの権利条約を、教育政策の根底にすえているからにほかなりません。
日本共産党が伸びてこそ、教育を大きくかえる確かな道がひらけます。共産党の議席増をかちとり、教育をかえる壮大なたたかいを進めようではありませんか。