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2009年8月24日(月)「しんぶん赤旗」

主張

中小企業対策

大企業中心のゆがみ正して


 終盤を迎えた総選挙で、日本経済の主役となる中小企業の経営を守り、内需を振興していくことは、重要な政策争点のひとつです。

 自公政府は、国内総生産(GDP)の伸びがプラスに転じたことなどで、「景気回復の兆し」などといっています。国民の暮らしや中小企業経営の現場では、まったくそんな気配はありません。

大企業の持ち直しの陰で

 政府の8月の「月例経済報告」でも、「大企業は持ち直しの動き」ながら、「中小企業製造業の業況判断は横ばい、中小企業非製造業の業況判断は9四半期連続の悪化となった」と認めています。2008年の企業倒産は1万5千件を超え、今年上半期も前年比で8・2%増となっています。

 最近の中小企業の景況悪化の要因は、世界的な不況の大波をかぶったうえに、大企業の在庫減らしによる大幅減産や下請け企業切り捨てなどのしわ寄せをもろに受けていることです。いわば中小企業は不況の影響に加えて、「大企業の景気持ち直し」の犠牲になっているのが実態です。

 日本の全企業の99%を占め、雇用の7割を担う中小企業・自営業者は、いまや“がけっぷち”においやられています。中小企業の経営危機を打開し、その存続と安定をはかることは、日本経済全体の再生にとっても緊急の政治課題となっています。

 自公政権は、これまで一貫して、財界・大企業中心の景気対策を推進してきました。大銀行の貸し渋り、大企業の下請けいじめの横暴などを野放しにする一方、中小企業予算の削減、中小企業や自営業者に過酷な税制などの経済政策を強行してきました。毎年3000人を超える中小業者の自殺は、自公政権の「弱肉強食」の悪政の結果といわざるをえません。

 今回の自民、公明両党のマニフェストでも、「中小企業対策」は口にしても、こうした中小企業対策にたいする根本的な反省はまったく見られません。

 目前の総選挙では、自公政権の退場を実現して、財界・大企業中心のゆがんだ経済政策を転換することがぜひとも必要です。

 日本共産党は、自公政権の退場を迫るとともに、中小企業の危機打開のため、中小企業融資の「緊急保証」の全業種への拡大、休業補償や直接支援の実現など、緊急対策の実行を求めています。同時に「財界中心」の政治のゆがみを大本からただす立場から、経済政策を転換し、「中小企業憲章」を制定して、中小企業予算を当面予算全体の2%、1兆円程度にふやすことを主張しています。

財界にモノいえるから

 民主党も、これまでの財界・大企業中心の経済政策をきっぱりと転換する立場に欠けています。日本共産党の志位和夫委員長から「官僚任せ」だけでなく、「財界任せ」の政治からの転換を問われても、民主党の鳩山由紀夫代表は明確に答えませんでした。

 日本共産党は、企業献金を一円も受けとらず、財界・大企業に堂々とモノがいえる党です。だからこそ「財界中心」のゆがみをただし、真に中小企業のためになる政策をつらぬくことができます。

 民主党中心の政権ができても、「建設的野党」の日本共産党が伸びてこそ、中小企業のための政治を実現することができます。



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