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2009年8月23日(日)「しんぶん赤旗」

主張

自公後の政治

財界支配の打破が不可欠だ


 総選挙の結果、自民・公明に代わって民主党中心の政権が実現した場合、財界・大企業中心の政治が変えられるのかが、焦点のひとつとなっています。民主党は「官僚主導」の打破は強調しますが、「財界中心」の政治については根本的に転換する姿勢がありません。日本共産党の志位和夫委員長が公示前日の党首討論で「財界主導」の政治と決別する意思はあるかとただしたのにも、民主党の鳩山由紀夫代表の答えはあいまいでした。財界支配の打破は、自公政治をきっぱり終わらせるうえで欠かすことができません。

異常な大企業中心政治

 志位委員長の鳩山代表への質問を一般紙は「会場にさざ波が立った」(「東京」18日付)と、緊張感をこめて報道しました。財界支配の打破が自公後の政治のあり方の根幹にかかわることの反映です。

 自公政治の特徴は、「国民主権」は名ばかりで、「財界中心」「日米軍事同盟中心」の政治がまかりとおってきたことです。財界・大企業向けに大型公共事業などの予算が大盤振る舞いされ、大企業の税負担を軽くする穴埋めに消費税の増税が国民に押し付けられ、大企業のもうけを増やすために派遣を解禁しいつでも首にできる「非正規」労働が増やされました。

 日本はいまや、大企業や大資産家の税金や保険料の負担が異常に低く、財界・大企業の横暴から国民の暮らしと権利を守るルールが確立していない「ルールなき資本主義」の国として世界に有名です。こうした財界・大企業中心の政治がまかり通っているのも、財界・大企業がさまざまな方法で政治を支配しているためです。

 なかでも近年、政府の経済政策の「司令塔」となってきた経済財政諮問会議には財界代表が「民間議員」として参加し、首相にじきじきに注文をつけてきました。社会保障費を毎年2200億円ずつ削減する「構造改革」で、年金も医療も介護も生活保護もずたずたにされてきましたが、それを最初に言い出したのは、諮問会議に参加した財界代表でした。

 農産物などの輸入自由化や労働政策などの「規制緩和」も財界が言い出し、各省庁の審議会や規制改革会議に参加するなど、さまざまな仕組みを使って、政府に実行を押し付けてきました。

 財界・大企業は高級官僚の「天下り」を受け入れ、逆に企業の代表を「天上がり」と称して官庁などに送り込むことを通じても、自らの要求を実現しています。なかでも強力なテコとなっているのは、企業献金です。日本経団連は毎年、自民、民主両党に「優先政策事項」を突きつけ、「政策評価」で採点し、それに応じて企業献金の目安を示して傘下の業界や大企業に献金させています。文字通り丸ごとの政策買収であり、財界支配の根を絶たない限り、国民本位の政治は実現できません。

財界にモノいえる党こそ

 民主党がいうように「官僚任せ」は打破しても、「財界任せ」がそのままでは、政治のゆがみはただされません。財界支配は不正の温床ともなっています。癒着を一掃しなければ政治は刷新できません。

 国民本位の政治実現へ、企業献金を禁止するなど財界支配を断ち切ることが不可欠です。財界にモノがいえる日本共産党の、「建設的野党」としての役割が重要です。



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