2009年8月22日(土)「しんぶん赤旗」
データでみる総選挙の争点(4)
農業の再生、発展目指す
日米FTAには反対
価格保障と所得補償
農業・食料問題は、総選挙の重要な争点の一つです。日本共産党は、農業を国の基幹産業と位置づけ、再生と発展を目指します。
日本の食料自給率は40%前後に低迷しています。農林水産省の試算(2007年2月)によると、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)で関税が完全に撤廃された場合、食料自給率は12%にまで下落します。
日本共産党は、日米FTAのように、日本の農業・食料や国民の利益に重大な打撃を与えるFTA/EPAには、絶対に反対です。
民主党はマニフェスト(政権公約)に日米FTAの「締結」を明記しました(後に「交渉を促進」と修正)。
日米FTAで関税が撤廃された場合、日本の農業への大打撃は必至です。日米経済協議会の委託研究「日米EPA‥効果と課題」(08年7月)によると、国内の米の生産は82%、穀類は48%、肉類は15%、それぞれ減少します。
自民・公明政府が交渉中のオーストラリアとのEPAも、国内生産に打撃を与えます。農水省の試算(06年12月)によると、小麦の生産は99%、砂糖は100%、乳製品は44%、牛肉は56%、それぞれ減少します。
日本共産党は当面、食料自給率50%台の回復を最優先します。農業経営を安定して持続できる条件を重視し、価格保障と所得補償の拡充を基本に生産コストを保障します。
下落が続く米価については、不足払い制度で1俵(60キロ)=平均1万7000円の生産コスト(家族労働費を含む)を保障します。さらに、国土や環境を保全する水田の役割に対し、当面10アール当たり1万円、米1俵換算で1000円前後の支払い(所得補償)を実施します。合わせて、1俵=1万8000円程度を確保します。
また、現行の政府備蓄100万トンに満たない分(10万トン)の緊急買い入れで、米価暴落の回避に努めます。
他の主な農畜産物についても、それぞれの条件に合った価格保障と所得補償を実施し、増産を促します。
自民・公明政府は、農産物価格を“市場原理”に任せ、流通大手の“買いたたき”を横行させています。
民主党は、農家への戸別所得補償制度を掲げています。しかし、日米FTAを含むFTA/EPAの推進を公約しており、農業への打撃を前提にしたものです。(つづく)
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