2009年8月18日(火)「しんぶん赤旗」
公明党 「国際平和主義」「政界の大掃除」いうが―
派兵の延長・拡大支える
公明党は自民党と合意した「連立与党重点政策」で、海上自衛隊のインド洋での給油活動や「海賊対策」など、海外派兵の継続を掲げました。自らの総選挙マニフェスト(政権公約)で「行動する国際平和主義」といいますが、「戦争の党」として憲法破壊を推し進めたのが実態です。
報復戦争支援
2001年に9・11テロが起きると、米国の報復戦争・アフガニスタン攻撃を支援するテロ特措法の成立を推進しました。
03年に、イラク攻撃を準備する米ブッシュ政権への批判が強まると、公明党の冬柴鉄三幹事長(当時)は「戦争反対は利敵行為」と発言。同年、イラク特措法を成立させ、初めての自衛隊の戦地派兵を強行したのです。また、武力攻撃の「おそれ」や「予測」の段階から自衛隊が動き、地方自治体と住民を戦争に動員する有事法制を強行しました。
07年の参院選以降、衆院の3分の2以上の議席を使って、自衛隊派兵の延長・拡大をはかってきたのも、公明党なしではできないことでした。
福田内閣のとき、いったん期限切れを迎えて「撤退」した海上自衛隊を、「新テロ特措法」によって再びインド洋に送り出しました。さらに昨年暮れには、同法の延長を再び衆院再議決で強行。今年6月には、ソマリア沖の海賊を口実にした「海賊対処」派兵法も衆院の再議決で強行しました。
日米同盟強化の動きと連動し、自民党の「新憲法草案」とも呼応しながら、憲法9条に「国際貢献と自衛隊の存在明記」をつけ加える「加憲」論を主張。07年には安倍内閣のもとで改憲手続き法を強行し、先の通常国会では、衆院で憲法審査会規程の議決を強行しました。
政党助成金ためこみ
公明党は「国民目線で『政界の大掃除』」(総選挙マニフェスト)といい、政治資金規正法の虚偽記載があった場合に、議員の「公民権停止」を掲げたことをアピールしています。
しかし、自民党の二階俊博経済産業相の西松建設違法献金疑惑や、与謝野馨財務相の迂回(うかい)献金疑惑の真相解明を求めようとしていません。もっぱら民主党の小沢一郎前代表と鳩山由紀夫代表の疑惑を攻撃するなど、党略的対応に終始しています。
かつて自ら起こした腐敗事件(明電工事件、リクルート事件)を契機に禁止していた企業・団体献金についても、05年には「政治倫理規範」を改定し、「企業・団体献金はうけない」「政治資金集めのパーティーは行わない」との規定を削除しました。
国庫返納せず
国民の税金を政党が分け取りする政党助成金も「聖域」扱いです。公明党は、1998年に新進党が解党した後、同党の助成金の使い残し80億円のうち41億円もの巨額の資金を引き継いでいます。政党を解党したら、その党への助成金は国庫に返納すべきものなのに、「法にのっとっている」(大口善徳前衆院議員、7月3日)と開き直っています。
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