2009年8月18日(火)「しんぶん赤旗」
雇用者報酬 最悪4.7%減
4〜6月期 輸出頼みでプラス成長
GDP
内閣府が17日発表した4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値によると、物価変動の影響を除いた実質GDPは前期比0・9%増(年率換算3・7%増)、物価の影響を含んだ名目GDPは0・2%減(年率0・7%減)でした。
麻生自民・公明内閣は「景気は持ち直しに動く」(林芳正経済財政担当相)としていますが、雇用者報酬は実質で前期比1・7%減(名目2・2%減)。前年同期比では名目で4・7%減と過去最悪の下落率でした。労働者を犠牲にした輸出大企業などの「持ち直し」となっています。
実質GDPのプラスは5期ぶり。前期、前々期と2期連続で戦後最悪を更新するマイナス成長だったため、今期のプラス成長はその反動です。前年同期と比べると、6・4%と大幅な減少です。
実質GDPを需要項目別に見ると、「エコカー」減税・補助金、「省エネ家電」ポイントなど一時的な効果で個人消費は前期比0・8%増。ただ前年同期比では0・9%減と依然低迷しています。設備投資は前期比4・3%減と5期連続マイナスでした。輸出は5期ぶりのプラス。地域ではアジア向け、品目では電子通信機器、自動車、民生用電気機器などの輸出が目立ちました。
実質GDPへの影響の大きさを示す寄与度は、輸出から輸入を差し引いた外需が1・6%引き上げたのに対し、内需はマイナス0・7%。内需の弱さを改めて印象付けました。
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国内総生産(GDP) 一定期間に国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の総額。内閣府が四半期ごとに推計します。前期からの増減率が経済成長率になります。
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