2009年8月15日(土)「しんぶん赤旗」
民主党子ども手当
負担増世帯12%超
「4%」と過小に宣伝
民主党が「子ども手当」(中学卒業まで1人当たり月2万6000円)を創設する財源として配偶者控除などの廃止を盛り込んだことに批判の声が上がるなか、同党は負担増になる世帯が「4%未満」だとの説明を繰り返しています。しかしこの数字は、あまりに少なすぎる計算です。
同党が廃止するというのは、所得税の配偶者控除と一般扶養控除(0〜15歳および23〜69歳が対象)です。同党はホームページで「(手取りが減るのは)65歳未満の現役世代の専業主婦の、お子さんのいないご家庭です。全体で言うと世帯のうちの4%未満」と説明しています。
全世帯4956万(2005年国勢調査)のうち198万世帯ほどになる計算ですが、同党は「4%未満」の根拠を明示していません。
負担増になるケースが同党の説明通りだとしても世帯数はもっと膨らみます。それに加え、「共働き世帯に影響はない」との同党の説明は誤りです。共働き世帯でも、23〜69歳の扶養親族がいれば一般扶養控除の廃止で増税となります。専業主婦の世帯で子どもが大学生の場合も、配偶者控除の廃止だけがかぶさり負担増です。
国税庁の統計データなどで推計すると、少なく見積もっても600万世帯、全世帯の12%以上が負担増になります。(表)
軍事費のムダと大企業・大資産家への過大な減税という二つの聖域にメスを入れられない民主党の弱点が、子育て支援の財源を庶民増税に求める政策となって表れています。
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