2009年8月15日(土)「しんぶん赤旗」
主張
終戦記念日
平和の決意を新たにする日に
終戦から64年たちました。戦争の悲惨さに思いをはせ、平和の決意を呼びさます日です。
ことしの終戦記念日は、戦後初めての「8月総選挙」を目前にしています。日本の政治はいま新たな一ページを開こうとしています。平和の尊さをかみしめ、平和を守る力を大きく前進させる決意を新たにしたいと思います。
悲惨な戦争繰り返さぬ
1945年8月15日の敗戦まで長年にわたった侵略戦争と植民地支配で、日本軍国主義はアジア諸国民に2千万人を超える犠牲をもたらし、日本国民も310万人以上が亡くなりました。
戦争体験者が高齢化するなか、記憶を受け継ぐさまざまな努力が行われています。ことし夏、東京で公開された映画「嗚呼 満蒙開拓団」もそのひとつでした。戦前、日本が植民地とした「満州」(中国東北部)へ「国策」で駆り出され、戦争の激化で働き手は軍に奪われ、敗戦で政府にも軍にも見捨てられて逃げ惑う人びと―。大きな犠牲を出し、「残留」孤児など、いまも苦しみは続いています。悲惨な体験を繰り返してはなりません。
戦後日本は、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(日本国憲法)を誓って再出発しました。憲法には戦争や核兵器の悲劇は繰り返さない決意がこめられています。
自公政権は、イラクやアフガニスタンでのアメリカの戦争に協力して、自衛隊の海外派兵や憲法そのものを改悪する策動をつづけてきました。戦後日本の反省を否定し、再び日本を「戦争する国」にしようとする企てを、絶対に許すことはできません。
侵略戦争を肯定する動きも重大です。終戦記念日を前にして横浜市や東京都杉並区の教育委員会が、侵略戦争を賛美する「新しい歴史教科書」の採択を決めました。誤った歴史観を植えつける、言語道断な策動です。
日本共産党は1922年の創立以来、主権在民と侵略戦争反対の旗をかかげ、文字通り命をかけてたたかってきました。哲学者の久野収氏と鶴見俊輔氏はそうした日本共産党の一貫した態度を、動かぬ座標として、「北斗七星」にたとえたことがあります(『現代日本の思想』)。自民党の党内研修用教科書も「ひとり共産党は終始一貫戦争に反対してきた」「他党にない道徳的権威を持っていた」と書きました。
日本共産党の前進こそ
日本共産党は、創立以来の反戦・平和の党として、自公政権の海外派兵と憲法改悪の策動に反対し、侵略戦争を肯定する企てに反対しています。今回の総選挙にあたっても、「国民が主人公」の新しい日本をめざし、国民の暮らしと権利を守る「ルールある経済社会」を築くとともに、「憲法9条を生かす自主・自立の外交で、世界とアジアに貢献する日本に」なることを旗印に掲げています。
いま世界は、戦争ではなく外交によって紛争を解決する流れが大勢になっています。「核兵器のない世界」をめざすというオバマ米大統領の提唱で、核兵器廃絶の機運も高まっています。
そうしたなかで反戦・平和をつらぬく日本共産党が総選挙で前進することこそ、侵略戦争の反省を受け継ぎ、平和を実現していく最大の保障になると確信します。
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