2009年8月14日(金)「しんぶん赤旗」
駿河湾地震
設計時想定超す揺れ
浜岡原発5号で観測
11日に起きた、駿河湾を震源とするマグニチュード(M)6・5の地震で、静岡県御前崎市にある中部電力浜岡原発5号機(出力126万7000キロワット)では、一部で設計時に想定された揺れを上回っていたことが明らかになりました。
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中部電力によると、今回の地震で観測された5号機の原子炉建屋1階で観測された最大加速度は488ガル(ガルは揺れの強さを示す加速度の単位)で、同じ場所で想定されていた「設計用最強地震」484ガルを上回っていました。また、同建屋地下2階の最大加速度は439ガルで、同じ場所で想定されていた445ガルの99%に相当します。
同社のホームページによると、設計用最強地震は、「将来起こりうる最強の地震」で、1854年の安政東海地震(M8・4)を想定したことになっています。
しかし、マグニチュードが1大きくなれば地震のエネルギーは32倍になり、M6・5とM8では約200倍、M6・5とM8・5では約1000倍エネルギーが違います。
原子力安全・保安院は、新耐震指針に基づき設定された基準地震動による応答値701ガルを下回っているとし、中電は1000ガルにも耐えられると説明してきました。
今回の揺れは、701ガルに対しても63%に達しています。中電の調査で、今回の地震による異常発生は数十件に達しています。想定されるM8級の東海地震で安全が保たれるのか、今後慎重な検討が必要になっています。
浜岡原発 現在1〜5号機がありますが、中部電力は1、2号機を廃止し、6号機を新設する計画です。巨大地震の震源域のまん中に位置することが分かった後に、3、4、5号機を増設。国も認めてきました。M8級の巨大地震が確実に起こることがわかっているところに原発をつくるなど世界に例がありません。