2009年8月14日(金)「しんぶん赤旗」
普天間基地 早く返せ
米軍ヘリ墜落5年 沖国大が抗議集会
沖縄国際大学(宜野湾市、富川盛武学長)は米軍ヘリ墜落事故から5年の13日、抗議集会を墜落現場の大学本館前で開きました。同大学主催の抗議集会は初めて。教職員や学生など約200人が参加しました。富川学長が声明を読み上げ、教授や学生が意見発表。日米両政府に米軍普天間基地を使用する航空機の即時飛行中止、同基地の一日も早い閉鎖、返還を求めました。
富川学長は、事故後もいまだ大学上空を米軍機が飛行し、何ら問題解決がされていない現状を「遺憾至極である」としました。また、「いかなる国際政治論、安全保障論で飛行を正当化しても、大学の静寂・安寧を脅かし、生命すらも脅かす飛行は大学にとって認められない」と述べました。
集会は、米軍機が離陸するなか、墜落で崩れたコンクリート壁や黒こげに焼けた木が置かれたモニュメントの前で進みました。
ヘリ墜落事故を題材にした劇を学園祭で行い、サークルで修学旅行生らに平和ガイドをしている学生(22)=総合文化学部4年=が学生を代表して意見表明。「修学旅行生の多くが事件を知らない。戦場へ飛び立つヘリが住宅地の真ん中に存在する大学に墜落したという衝撃が薄れてきている。しかしガイドを受けた修学旅行生は『地元の基地についても考えてみる』という声を残して本土に帰っていく。事件が風化することのないよう、しっかりと伝えていきたい」と語りました。
同大学では同日から、図書館で「衝撃と惨状―映像・写真展」(15日まで)を開催。15日には、普天間基地の危険除去を考えるシンポジウム(宜野湾市主催)も開かれます。
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