2009年8月13日(木)「しんぶん赤旗」

ちゃんこ若・労組員不採用事件

京都府労委　職場復帰を命令

　ちゃんこ鍋店「Ｃｈａｎｋｏ　Ｄｉｎｉｎｇ　若（ちゃんこダイニングわか）」京都四条店（京都市下京区）の元調理員３人が、未払い残業代の支払いなどを求め労働組合を結成したことを理由に、「不採用」にされたのは不当労働行為にあたるとし、職場復帰を求める救済命令を申し立てていたのに対し、京都府労働委員会は７日、同店を経営する「ドリームアーク」に、この３人を採用し、不採用となった２００８年１１月以降の賃金支払いを求める命令を下しました。代理人の渡辺輝人弁護士らが１２日に会見し、明らかにしました。

　申し立てを行ったのは、元料理長（３２）ら２０〜３０代の男性３人で、全労連全国一般京都地本京都一般合同労組ディバイス分会の組合員です。

　「ドリームアーク」は０８年１０月、フランチャイズ加盟店「ディバイスリレーションズ」から京都四条店など４店舗の事業譲渡（直営店化）を受けるさいに、他の従業員は採用したのに、組合員らだけを「不採用」にしました。ドリーム社は、０８年１０月末まで、大相撲元横綱・若乃花の花田勝氏が代表取締役会長を務めていました。

　命令書では、ディバイス社とドリーム社の雇用関係の継承については認めなかったものの、「実質的な連続性がある」とし、元従業員３人の「不採用」は、「組合活動を理由とした不利益扱い」であり、労働組合への「支配介入行為」と認定しました。

　元従業員３人は昨年１０月、ディバイス社に対し、未払い残業代の支払いなどを求めて京都地裁に提訴し、今年９月に判決が出る予定です。