2009年8月13日(木)「しんぶん赤旗」
「非核日本」へ行動する共産党
核廃絶が一大争点に
自民逆行 民主は二転三転
「核兵器のない世界」を目指すとのオバマ米大統領のプラハ演説を契機に、核廃絶への姿勢が総選挙の大きな争点となっています。
「核廃絶の話は、結果としてオバマ大統領の演説もあって、間違いなく進みつつある」。麻生太郎首相は、11日深夜の日本テレビ系報道番組の6党党首討論でこう語りました。
ところが麻生首相の口からは、オバマ演説を受けて日本が核廃絶のイニシアチブをとるとの話は全然出てきません。6日の広島市の記者会見では、アメリカの核抑止力に依存する態度を表明し、被爆者団体から発言の撤回を求められました。9日の長崎市の記者会見では、核保有国の核の先制不使用の構想を否定しました。
民主党の鳩山由紀夫代表は、非核三原則の法制化をめぐり、発言が二転三転。「法制化の検討」が、11日の記者会見で後退しました。
これに対して、核廃絶を目指す日本共産党は、現実に国際政治に働きかけています。
自公政権の核抑止力論に対しても、いざとなれば核兵器を使うという脅しで自らの「安全」を守る論理だと厳しく批判。「核密約」を公開・廃棄し、非核三原則に実効性を持たせること、アメリカの「核の傘」から離脱して名実ともに「非核日本」を築いてこそ、核兵器廃絶のイニシアチブを発揮できると提唱しています。
「核の傘」脱却の議論こそ
名古屋大学名誉教授・沢田昭二さんの話 日本共産党の核廃絶政策以外に、積極的なものがあるでしょうか。
自民党はアメリカの核抑止力、「核の傘」が必要だというのが本質です。この立場が、核廃絶を目指すオバマ大統領の足を引っ張っていると思います。
アメリカの核に守られている日本が、北朝鮮に核を持つのをやめろといっても説得力はありません。核抑止力はいらないという日本政府の実現が、北朝鮮核問題を解決することにもなります。
今度の総選挙で、民主党政権ができるのではと言われていますが、民主党内の大部分は「核の傘」維持という意見で、非核三原則の二原則化の意見も出ています。この流れを許さないためにも、選挙中に、日本国憲法や東南アジア友好協力条約などにある非戦の流れに、国民が確信を持つような議論を展開してほしい。そういった議論を展開する日本共産党の議席が伸びることが大事だと思います。