文字の大きさ : [] [] []

2009年8月10日(月)「しんぶん赤旗」

原水爆禁止09年世界大会・長崎決議

長崎からのよびかけ


 9日、原水爆禁止2009年世界大会・長崎の閉会総会で採択された決議「長崎からのよびかけ」と、特別決議「核兵器のない世界のために―長崎から各国政府への手紙―」の全文はそれぞれ次の通りです。


 「長崎を最後の被爆地に」「核兵器をなくせ」―被爆者は、苦しみのなかで、世界に訴えつづけました。その声は世界の圧倒的な世論となり、国際政治を動かしています。

 アメリカのオバマ大統領が「核兵器のない世界の平和と安全を追求する」と宣言し、新たな展望が開かれました。

 いまこそ行動のときです。被爆者とともに、核兵器廃絶を求める声を世界に広げてきた日本の原水爆禁止運動が、その力を発揮するときです。

 日本政府は、被爆国でありながら、アメリカの「核の傘」にあくまで固執し、核兵器廃絶の実現にも消極的態度をとりつづけています。「核密約」で核兵器持ち込みを容認し、「非核三原則」を裏切ってきたことも隠し通すつもりです。

 核兵器のない世界にむけ、被爆国としての責任を果たす日本、非核平和の日本を、なんとしてもつくりだしましょう。

 被爆国の私たち一人ひとりが、核兵器の廃絶を求める圧倒的な世論と運動を巻き起こすことを決意し、以下の行動にとりくむようよびかけます。

 

 ○核不拡散条約(NPT)再検討会議で、核保有国をはじめ、すべての政府が核兵器全面禁止・廃絶条約の締結への一歩を踏み出すよう強く求めましょう。

 世界の先頭に立ち、「核兵器のない世界を」国際署名を地域、職場、学園でいっそう大きく広げましょう。広範な人びとと共同し、1200万筆の目標を達成しましょう。

 来年5月のニューヨーク大行動に全国各地から代表を送り、NPT再検討会議に日本と世界の人びとの願いをこめた署名を積み上げましょう。

 ○核兵器廃絶と「非核三原則」の厳守を政府に迫る「非核日本宣言」の運動を、全国各地でさらに広げましょう。「核密約」の公表・破棄、「核の傘」からの離脱をかちとりましょう。

 米軍基地再編強化や自衛隊海外派兵に反対し、憲法9条を守り生かす運動をいっそう広げましょう。米軍への「思いやり予算」や軍事費の削減、いのち・くらし・雇用を守る運動を強めましょう。

 ○被爆者がいのちがけでたたかってきた原爆症認定集団訴訟は、ついに政府を追いつめて、解決への道筋を示す確認書の合意に至りました。訴訟の全面解決と被爆実態に見合った認定行政への転換を確実に実行させましょう。

 被爆者の願いを継承・発信し、被爆の実相をつぎの世代と世界に伝える証言活動や原爆展に、全国各地でとりくみましょう。

 

 青年たちの創意とエネルギーにあふれる行動は、未来への希望です。核兵器のない世界の扉を開くため、被爆者とともに、若い世代とともに、いまこそ声を合わせましょう。

 ノーモア・ヒロシマ!
 ノーモア・ナガサキ!
 ノーモア・ヒバクシャ!

 2009年8月9日
 原水爆禁止2009年世界大会・長崎


特別決議

核兵器のない世界のために ―長崎から各国政府への手紙―

 広島と長崎への原爆投下から64年をへて、私たちはいま、核兵器のない世界への一歩を踏み出すのか、核破局の脅威にさらされつづけるのかの岐路にあります。核兵器廃絶を願って、被爆者とともに長崎に集った私たちは、あなた方が人類の未来をまもる英断をし、行動するよう心から訴えます。

 アメリカ合衆国大統領が「核兵器のない世界」を国家の目標とすることを表明し、核兵器廃絶への新たな展望がうまれています。世界の諸国民は、その進展に関心と期待のまなざしをむけています。この新しい機会を、かならず核兵器の完全廃絶に結実させなければなりません。

 さまざま核軍縮交渉が行われてきたにもかかわらず、今日依然として、多数の核兵器が存在しています。このことは、これまでにない決意と行動が国際政治に必要であることを示しています。「核兵器による安全」という誤った考えを捨てさり、核兵器廃絶そのものを共通の目標として行動しなければなりません。

 私たちは、すべての核兵器国が核兵器廃絶の「明確な約束」を実行し、2010年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が、核兵器全面禁止・廃絶条約のすみやかな締結にむけて、具体的な一歩を踏み出すことを要請します。そのためにも、9月からの国連総会で、アメリカ合衆国をはじめ安全保障理事会常任理事国である核保有5か国が、主導的なイニシアチブを発揮するよう強く求めるものです。

 諸国の平等、紛争の平和解決など国連憲章の諸原則にもとづく、平和で公正な世界をきずきあげていくためにも、核兵器廃絶は不可欠です。それゆえ国連総会は、その第1号決議で、「原子兵器の禁止」を求めたのでした。いまこそ、その実現にむけて国際社会が一致して行動すべき時です。すべての諸国政府、国連が、この目標達成にむけ、私たちとともに力を尽くすよう、心より期待するものです。

 2009年8月9日
 原水爆禁止2009年世界大会・長崎



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp