2009年8月9日(日)「しんぶん赤旗」
比例削減では、消費増税反対・9条守れの国民多数の声が国会に届かなくなる
志位委員長、厳しく批判
日本共産党の志位和夫委員長は8日、滋賀、兵庫、福岡の各県計4カ所で総選挙勝利のための街頭演説をし、民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げる衆院比例定数80削減が強行されれば、「『消費税増税反対』『憲法9条を守れ』という国民多数の声が国会に届かなくなります」と述べ、断固反対の立場を強く表明しました。
志位氏は演説で、自公政権退場の審判を呼びかけ、新しい日本の進路をさし示すとともに、総選挙後に民主党中心の政権ができた場合には、「建設的野党」の立場を貫くと約束しました。
その上で、「民主党の危険な政策が具体化されるときには、これを食い止める『防波堤』の役割を果たします」と強調。同党がマニフェストの冒頭で、「ムダづかい」をなくすとして、衆院比例定数削減を書き込んでいることについて、「民意をきちんと国会に反映する比例代表が削られたら、自民と民主が95%の議席を占めることになります」と述べました。
志位氏は、自民と民主の両党は、消費税を増税し、憲法9条を変えて海外で戦争をする国にするという点では同じ方向を向いていることを指摘。「国会に消費税増税反対の国民多数の声も、憲法9条守れの国民多数の声も届かなくなる。国民多数の声を切り捨てるのが比例削減です。そんなことは断じて許すわけにはいきません」と力説しました。
「ムダづかい」論についても、「無駄を削るというなら、まず政党助成金をなくすべきです」と訴えると、聴衆からは「その通り!」の歓声と大きな拍手が起こりました。
また、民主党がマニフェストに日米FTA(自由貿易協定)締結を書き込んだ件にも触れ、「農家から大変な批判がおこって、いまあわてて『締結』を『促進』に変えようとしていますが、同じことです」と強調しました。
志位氏は、「日米FTAがもし結ばれたら関税がなくなり、一番打撃を受けるのは日本の農業、とくにコメです」と警鐘を鳴らし、コメについては現在の生産高の82%が破壊されると指摘。「日本共産党は、日本人の主食までアメリカに売り渡すような日米FTAに断固として反対を貫きます」と決意を表明しました。
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