2009年8月8日(土)「しんぶん赤旗」
全視協
HV車対策を要請
国交省に “接近気づきにくい”
急速に普及するハイブリッド車(HV車)の静かな走行音が視覚障害者にとって危険だとして、全日本視覚障害者協議会(全視協)は7日、国土交通省に対策を要請しました。
発進時や低速走行時には電気モーターで走るHV車。国交省では、検討委員会を発足。5日の体験会ではチャイム音やメロディーなどの試作音を公開しました。
要請で、山城完治全視協総務局長は「歩行する視覚障害者にHV車の接近を注意喚起できる対策を講じてほしい」と求めました。
7人の参加者は、「視覚障害者向け信号のない交差点では、エンジン音を手がかりに青か赤か識別している」「歩道と車道が分離していない道では、エンジン音を頼りに歩いている。HV車が接触寸前まで近づいて、あわてて飛びのいたことがある」などと訴えました。国交省自動車交通局の清谷伸吾技術企画課課長は「みなさんの声を検討委員会に届けたい。音を出すことを対策の中心にすえていきたい」と述べました。
体験会にも参加した全視協の織田洋総務局次長は「電子音や『キンコン、キンコン』といった音では聞こえづらく、車のスピード感や大きさがわかりづらかった。何度も接触した仲間がおり、早急に対策を打ってほしい」と話しました。