2009年8月7日(金)「しんぶん赤旗」
原爆症救済合意
決断を歓迎 被団協など声明
原爆症認定集団訴訟の解決についての合意を受けて、日本原水爆被害者団体協議会、全国原告団、全国弁護団連絡会は6日、声明を発表しました。このなかで、原爆症集団訴訟の一括解決についての「麻生総理の決断を心から歓迎」するとのべています。
裁判の中では、国が、放射線の被害について、原爆被害を軽く、狭く、小さな被害として描こうとしていることが明らかになった、と指摘しています。
19の裁判所での勝訴により、2度にわたる認定基準の改定を勝ち取ってきたこと、今回の確認書の調印で、訴訟の早期一括解決、被爆実態に見合った認定行政への転換に道筋をつけることができたと評価しています。
オバマ米大統領の核兵器なき世界への共同行動のよびかけにふれ、集団訴訟の成果が原告団だけのものではなく、全国の被爆者、核兵器なき世界を求めて連帯してたたかっている全国の人びと、世界の人びとが共に喜び合えるものと確信していると強調しています。
歴史的勝利と評価
長崎の原告・弁護団 問題点も指摘
原爆症認定集団訴訟終結への確認書が成立したことについて、長崎の原告・弁護団、長崎原爆被災者協議会は6日、声明を発表しました。
声明は、「原爆症認定のたたかいの歴史的勝利」と積極的に評価しつつ、問題点として(1)基金の内容がはっきりしない(2)国の基本姿勢がでておらず、定期協議で前進できるか未知数(3)金銭解決に納得できない原告もいる―などを指摘しています。
長崎被災協の山田拓民事務局長は、「合意を勝ち取ったことは評価されるが、これまでの審査方法が誤っていたことについて謝罪の言葉はなく、定期協議で解決できるか疑問。課題は残っている」と述べました。
森内實原告団長は、「全員が認定されたわけではなく、満足はしていない。しかし、被爆者には時間がなく、一定の解決をみたことにほっとしている」と話しました。
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