2009年8月6日(木)「しんぶん赤旗」
TBS系番組
「消えた年金」被害の救済
小池氏「国に立証責任」
日本共産党の小池晃政策委員長は5日、TBS系番組「みのもんたの朝ズバッ!」に出演し、年金問題をテーマに各党出席者と討論しました。番組では、総選挙で重視する政策として最多61%の人が年金をあげたJNN調査が紹介されました。
はじめに「消えた年金」「消された年金」で被害者が申し立てても、なかなか認められないことや、認められても、1年近くも支払われないことが議論になりました。
自民党の衛藤晟一参院議員は「いま徹底的に調べており、あと1年半でやる」「体制はじゃんじゃん強化している」と述べました。
小池氏は、認定や支払いの体制が500人程度の人員しか充てられていないことをあげ、「増やせと言ってきたのに増やさず、今年に入って慌てて増やしている」と批判。「仮払いでもいいからすぐに出すべきだ。できるだけ幅広く救済するようにしなければ、この問題は解決しない」と指摘。司会のみの氏も「仮払いはいい」と応じました。
衛藤氏が「証拠がなくても第三者委員会でほぼそうであると推定されればできる」と述べたため、小池氏は「(給与明細など)証拠がないとだめだとなっている」と反論。「被害者に立証責任を求める今のやり方は間違いだ。国に立証責任を負わせる。国が(申請は)間違いだということを証明できなければ出すべきだ」と力説しました。
「宙に浮いた年金記録」を統合する体制をどう確保していくかが議論となり、民主党の長妻昭前衆院議員は、「民間に委託するとかいろいろな職員の形態をとってやっていく」と述べました。
小池氏は、来年1月から社保庁が廃止され、日本年金機構に移行することをあげ、「年金機構になるにあたって(職員が)3000人リストラされる。専門家としてノウハウを持っている人が3000人もいなくなるわけで、どうするか考えなければいけない。いったん(移行は)ストップした方がいい」と主張しました。
現役世代の50%以上の年金給付をうたった「100年安心の年金」が揺らいでいることについて、衛藤氏は「(野党が)不安をあおっている」と述べ、公明党の高木陽介前衆院議員は「モデル世帯は50%以上を維持する。共働きが50%を切るのは所得が高いからだ」などと強弁。小池氏は、「(モデル世帯として)一番有利な設定をして出しているだけ。そういう説明が一番不安をあおっている」と厳しく批判しました。