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2009年8月5日(水)「しんぶん赤旗」

中国・ウイグル暴動から1カ月

「正常化」強調も消えぬ不安


 【北京=山田俊英】 2000人近い死傷者を出した中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市の暴動から5日で1カ月がたちます。中国政府は、当面最も重視する国家行事、10月1日の新中国建国60周年を前に、社会の安定化に必死です。

 暴動をめぐっては、これまでに約2000人の容疑者が拘束されました。3日には治安当局がこの1カ月間、新疆ウイグル自治区で五つのテログループを摘発したと発表しました。

 政府は、現地は正常化したと強調しますが、不安は消えていません。自治区当局は7月末、「デマに対する注意」を発表。「漢族の女性が性犯罪にあった」「マンホールの中から暴動被害者の遺体が大量に見つかった」などのデマが流れているとし、信じないよう住民に呼びかけました。

 暴動後、一部漢族住民がウルムチの街頭で報復を叫んだ際には、治安部隊の行動と自治区当局による自制の呼びかけで抑え込み、報復合戦はなんとか回避しました。多民族国家、中国で多数民族の漢族と少数民族が争えば国家の存立にかかわります。

 国営中央テレビをはじめ中国メディアは新疆で各民族が仲良く暮らすようすを連日報道しています。7月末には胡錦濤国家主席が少数民族の多い雲南省昆明市でイ族の村を訪問し、「民族同士の団結」をアピールしました。

 政府は暴動の原因を、在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長による扇動と断定し、「民族、宗教の問題ではない」と繰り返し強調します。同議長は「扇動」を否定し、平和的デモを暴動にしたのは中国側の責任と反論。主張は食い違ったままです。

 国際的にはウイグル族と歴史的に関係の深いトルコで中国批判が高まるなど、摩擦が生じています。中国外務省は1日、ホームページを通じトルコ在住中国人に、身辺の安全に注意を喚起しました。「最近一部のトルコ在住中国人や進出企業が安全を脅かされた」といいます。


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