2009年8月4日(火)「しんぶん赤旗」
英・消費税減税
期間延長せよ
小売り最大手 “購買意欲維持を”
【ロンドン=小玉純一】英労働党政権が昨年12月から今年末までの予定で実施中の消費税(付加価値税)減税について、同国の小売り最大手のテスコが減税期間延長を要求しました。これで小売り大手各社が期間延長で歩調を合わせました。メディアでも英紙デーリー・テレグラフが「税率維持キャンペーン」を宣言しています。
テスコの期間延長要求は7月30日付のデーリー・テレグラフが伝えました。
消費税の税率は昨年12月1日に17・5%から15%へ引き下げられました。実施期間が今年末とされていることに対し、すでに小売り大手のマークスアンドスペンサーやセインズベリーもその延長を要求しています。
テスコの重役ロルフ氏は「賢明な日まで減税終了を遅らせることを財務相に求めたい」と言明。「政府の措置は最も困難な時期に消費者と会社の力添えとなった。しかしまだ困難を脱していない。失業が増大しており、消費者マインドの維持に注意する必要がある」と語りました。
英国では食料品の税率はゼロで、15%に引き下げられたのは一般税率です。テスコの店頭で販売される商品の半数に消費税がかかっているといいます。
7月24日に「税率維持キャンペーン」を宣言したデーリー・テレグラフ紙には、29日にイングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員を務めたブランチフラワー氏も登場、「いま必要なのは成長刺激策。増税ではない」と主張しました。
国内総生産がマイナス続きのなか、小売りの売り上げは6月、昨年比で2・9%の伸びとなりました。同紙は「6カ月で4回目のプラスだ。好天に恵まれ、サマーセールが早くなったことに加え、消費税減税が役立った」(24日付)と指摘しました。
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