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2009年8月3日(月)「しんぶん赤旗」

「学びたいのに」 高い学費に悲鳴

定時制高校生らが交流


 福島市内で開かれている「全国定通教育学習交流集会」2日目の2日、「高校生フォーラム」が開かれました。定時制高校生や卒業生ら5人が、学費や将来の夢など、思いを語りました。

 7月に開催された「お金がないと学校に行けないの?首都圏高校生集会」で実行委員をつとめた定時制高校に通う原田かおりさん=仮名=は、同実行委員会が行った高校生の生活費に関するアンケートの結果を報告。

 2092人が回答し、そのうち約1400人が定時制、通信制の高校生でした。8・5%が「学費が高く高校に通い続けられるか不安」と回答。学費や通学費などを、自分でアルバイトをして支払っている高校生は30・8%、「学費で家族に迷惑をかけて申し訳ないと思う」と答えた人は26・3%でした。

 原田さんは、教師になりたいといいます。「大学に行きたくて定時制に入ったが、学費を滞納すると悪いことをしている気持ちになり、学校を辞めた方がいいのではと思ってしまう」と話しました。

 大阪の大学生(23)は、経済的な理由で私立高校を退学し、働きながら定時制高校を卒業。現在は教師を目指して大学に通っています。早朝のコンビニなどでアルバイトをして1カ月に得る賃金は7万円。そのほか月12万円の奨学金をうけ学費や生活費にあてています。

 「授業料の減免を受けながら、働いて大学の学費をためた。定時制があったからできた」。しかし卒業までに奨学金で約500万円もの“借金”を背負うことになります。

 高校生らの発言をうけ、コメンテーターが発言。愛知定通父母の会の永野千津さんは、「学ぶことにお金の心配をしなくともいい世の中をつくるためにがんばりたい」と話しました。

 会場からは「定時制の高校生は最低賃金すら無視するひどい働き方をさせられている。全国的な実態調査が必要ではないか」などの声が出されました。



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