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2009年7月31日(金)「しんぶん赤旗」

林国家公安委員長答弁と相違

「パー券100万円」 業者証言

20万円分のみ「記載漏れ」


 自民党の林幹雄防災担当相・国家公安委員長が、口利き目的の土木業者から資金提供を受けた疑惑について、この業者が本紙の取材に林氏の資金集めパーティーで「パーティー券100万円分を購入した」と証言しました。国会で「(業者側の)勘違いではないか」と疑惑を否定する林氏の説明を「事実ではない」と指摘しています。


 林氏の答弁との食い違いが明らかになったのは、林氏の資金管理団体「大樹会」が2005年6月、千葉市の幕張プリンスホテルで開いた資金集めパーティー「大樹会政経セミナー」のパーティー券購入をめぐってです。

 「パーティーの1カ月ほど前だった。私は林氏の渡辺淳一公設第2秘書に会社の封筒に入れたパーティー券50枚分の代金100万円を渡そうとした」

 こう証言するのは、千葉市内の宮原工業(現在は廃業)の宮原一雄元社長です。

 宮原氏は「その際、渡辺氏は『80万円は手渡しでいいが、20万円は銀行振り込みにして』と言ってきた。私は20万円を抜いた封筒を渡辺氏に渡し、20万円は社の事務員に振り込ませた」と続けます。しかも、林氏側からは、20万円分の領収書しか渡されなかったといいます。

 宮原氏によると04年夏、羽田空港新滑走路建設の関連工事に参入できるよう、当時、国土交通副大臣だった林氏に「ゼネコンを紹介してほしい」と口利きを依頼。その後も渡辺秘書と定期的に会っていたといいます。

 05年6月のパーティー券のほかにも、宮原氏は、渡辺秘書の依頼で、同年2月の「林幹雄君を励ます会」のパーティー券20万円分を購入し、代金を渡辺秘書に手渡したとしています。

 この疑惑を日本共産党の吉井英勝衆院議員が8日の衆院内閣委員会で追及しました。林氏は、領収書が存在する20万円分については「記載漏れだった」と献金の事実を認め、同氏が支部長を務める「自由民主党千葉県第10選挙区支部」の収支報告書を訂正したとしています。

 しかし、それ以外の100万円にのぼるパーティー券の購入については「(20万円分の)寄付との勘違いじゃないか」として否定。金銭授受や接待を受けた疑惑についても「一切金銭の授受はない」と答えました。

 本紙は、証言内容について林氏側にただしましたが、回答はありませんでした。

 宮原氏は「私は何度も(林氏の)パーティー券を購入し、参加もしてきた。記帳を調べれば、すぐにわかる。国家公安委員長なのにそんなウソの説明をするのか」と話します。

 警察行政を監督する国家公安委員長の資格が問われる問題です。



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