2009年7月30日(木)「しんぶん赤旗」
ホンジュラス「暫定政権」
米が外交官ビザ抹消
【ワシントン=小林俊哉】米国務省のケリー報道官は28日の記者会見で、ホンジュラスの「暫定政権」の外交官4人の査証を取り消したと発表しました。
米政府は、セラヤ大統領を国外追放した「暫定政権」の正当性を認めていません。ケリー氏は、今回の措置について「暫定政権に対するわれわれの政策の一環だ」と強調。セラヤ氏の大統領復帰を促す試みの一つだと述べました。
セラヤ大統領ら歓迎
【メキシコ市=島田峰隆】米国務省が28日、6月末のクーデターで発足したホンジュラスの「暫定政権」の高官4人の外交官ビザを取り消すと発表したことに対し、隣国ニカラグアに滞在中のセラヤ大統領は、「正しい措置だ」と歓迎しました。
セラヤ大統領は、「中南米の民主主義を尊重し続けるために」暫定政権への圧力を継続するよう米政権に要求しました。
また南米ベネズエラのマドゥロ外相も同日、同国訪問中のスペインのモラティノス外相との会談後、「積極的な動きだ」と米国の措置を評価しました。モラティノス外相は、「スペインは米国と同じ措置を欧州連合(EU)が採るよう働きかける」と語りました。
クーデターから1カ月を過ぎた今も、ホンジュラスの首都テグシガルパやニカラグアとの国境付近では、「反クーデター国民戦線」が暫定政権に対する抗議行動を続けています。ニカラグアにいるセラヤ大統領は、ホンジュラスとの国境から約25キロの都市オコタルを拠点に帰国の時機を検討しています。
一方、クーデター派の議員が大半を占めるホンジュラス国会は27日、コスタリカのアリアス大統領による仲介提案の協議を始めました。しかし同提案はセラヤ氏の大統領復帰を含むことから、受け入れるかどうかの結論は30日まで見送られました。