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2009年7月29日(水)「しんぶん赤旗」

肺がん、ラジウム原因

石綿吸入し内部被ばく

岡山大など発表


 アスベスト(石綿)吸入で中皮腫や肺がんになることが問題になっていますが、がんを引き起こしているのは、放射性物質のラジウムが大量に蓄積し、長期の内部被ばくによるためであることがわかりました。岡山大学の中村栄三・地球物質科学研究センター長らの研究グループが28日発行の学術誌に発表しました。

 研究グループは、6人の悪性中皮腫患者の肺組織を分析しました。その結果、鉄を含むアスベストや、鉄を含む粉じん、習慣的な喫煙が、鉄を含むたんぱく質(フェリチン)の集合を促し、肺の中に不溶性の含鉄たんぱく質小体を作り出すことがわかりました。

 この含鉄たんぱく質小体は、さまざまな元素を吸着し、とくに放射性物質のラジウムは海水の数百万倍の濃度になっていました。

 ラジウムは放射線(アルファ線)を出しながら、別の原子核に変化し、その原子核もアルファ線を出し続けます。

 中村さんは、「局所的だが、強力なアルファ線被ばくが長期にわたって引き起こされ、がんが発生していることがわかった」と話しています。

 ラジウムは食べ物などにごく微量含まれていますが、通常は排出され、大量に蓄積することはないといいます。


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