2009年7月28日(火)「しんぶん赤旗」
沖縄ヘリパッド仮処分審尋
地裁が結審見送る
沖縄県東村高江への米軍ヘリの離着陸帯(ヘリパッド)建設をめぐって、沖縄防衛局が建設に反対する住民の「通行妨害」排除を求めて申し立てた仮処分申請の第5回審尋が27日、那覇地方裁判所で開かれました。
裁判所が前回の審尋で提案した「和解」について住民側が「運動に影響を与えるような和解はありえない」と拒否しました。裁判所は、この日に結審する意向でした。しかし、住民側の慎重審理の求めと、国側がこれまでの主張を補充する意見書を8月5日に提出したいとの表明で結審は見送られました。
住民側から申し立てのあった現場検証について、実施するかどうかの判断を8月6日に双方に伝えることになりました。同10日に裁判所、住民側、国側の3者で今後の進行について協議することも確認されました。
審尋では、住民側が準備書面で、建設事業の遅れによる「著しい損害」について、国側が具体的内容の主張、説明を放棄していることを指摘。不利益の実態がなく「仮処分申し立てが却下されるべきことは明らか」と主張しました。
「ヘリパッドいらない住民の会」の伊佐真次共同代表は「決定がすぐに出せないのは国側に不備があるからだ。裁判所は、ぜひ現場を見て判断材料にしてほしい。沖縄の緑豊かな自然に基地ができること、そしてなぜ住民が座り込んで止めているかの理由を感じ取ってほしい」と話しました。
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